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3 展示リニューアルの始まり
(1)きっかけ
平成2年には、NHK大河ドラマで鹿児島の西郷隆盛、大久保利通を中心とする「翔ぶが如く」が放送されることになり、これに合わせて県をあげて様々なイベントが繰り広げられることになった。黎明館においてもこれに関する展示を行うよう県からの打診があったが、黎明館では前述の展示構成にみるように、常設展示で目一杯の資料を展示して紹介しているため、これ以上の展示はできない状態であった。それでは、展示替えを行ったらどうかという提案があった。しかし、開館して8年を経過したこの時点では、展示改装はもっと先のことであろうと考えていたこともあり、改装するというのは簡単にできるものではないことをいくつかの理由をつけて文書にして説得したことを思い出す。
しかし、このことをきっかけに、また名古屋市立博物館が展示改装を行ったり、あるいは北海道開拓記念館が改装計画を持っていたこともあり、黎明館においても開館10周年を経た時点では、改装も必要ではなかろうかという意見も出初めていた。
(2)展示改装へ向けて前進
平成3年になると常設展示の見直しが正式に予算要求等の議題に上るようになり、次のような理由、考え方、見直しの主な点をあげて説明している。
1 展示を見直す理由
開館以来、積極的な博物館活動を展開し、大方の評価を受けているが、開館以来10年近く経過し、技術や学問の進展等、開館時に予測できなかったことが見られるようになった。
a. 館運営の経験を踏まえてみた場合に、展示機能が建設基本構想の期
待に十分答えきっていない。
b. 時代の進展、学術研究の成果等により、新しい展示技術や展示内容
を創出すべきである。
c. 収蔵資料が大幅に増加し、それらを十分に活用すべきである。
d. 展示場の内照式カラー写真や一部展示品に退色がみられる。
e. 機器類が古くなり、その保守管理が困難となっている。
f. その他
2 見直しの基本的な考え方
a. 黎明館建設時の基本構想に則し、展示の改善を図る。
b. 観覧者の立場をより重視し、無理なく分かりやすい展示とする。
3 見直しの主な事項について
a. テーマ展示の順路を短くする。1時間弱で観覧できるように、1階
部分をテーマ展示とする。
b. 2階以上は部門別展示とする。この部分にミニ特別展示室を作り、
常に新しい展示が見られるようにする。
c. 全体を通して視聴覚機器を多用した解説システムの導入を図り、理
解しやすい展示とする。
d. 映像ライブラリー、郷土資料図書室、体験学習コーナー等を設置し、
見るだけでなく参加できる博物館とする。
e. 屋外展示との連係を図る。
f. 県勢の現状や将来を紹介するマルチ映像コーナーは、ハード、ソフト
面とも改善し、よりアクティブな映像コーナーとする。
g. ゆとりのコーナー(喫茶室)やミュージアムショップを設置し、より
楽しい博物館とする。
一方では、改装に向けての予定も検討しており、この時点では開館15周年に当たる平成10年の改装を想定していたが、結果としてずいぶん早くなったわけである。このことは、県立級の大きな施設においては、館だけの意向で決定するものではなく、県の文化行政における大きな動きを頭に置きながら計画していかなければならないことを教えている。
また、この頃黎明館の資料収集専門委員による県外博物館の視察を実施し、新しい展示について調査を行った。なお、当館には博物館運営協議会が設置されておらず、専門員がこれに代わる機能を果たしているため、改装の話が出た時に運営協議会の設置を検討したが、開館以来この体制で運営してきたのであるから現体制で行くことになり、実現しなかった。運営協議会で改装の方向を決定し、改装をすすめた方がよいのではないかと考えた次第であったが、結果としては、後述する常設展示検討委員会を設置して、これに当たったわけである。
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