文化遺産と発展に関する行動ネットワーク
:研究グループ会議

1998年1月26日〜27日、ワシントンD.C.、世界銀行にて

会議の概要

世界銀行の招待により、研究グループがワシントンDCに集まり、文化遺産と発展に関する行動ネットワークを計画しました。協議事項で述べられているとおり、主要な世界・地域の文化遺産保護団体代表者と世界銀行スタッフは、社会経済発展における文化遺産の役割について討論を行いました。研究グループは、発展途上国の地域活動に密着した新たな手段を通じて、世界規模での文化遺産保護の有効性と範囲を拡大するための協力活動を検討しました。


主な結論

このネットワークの優先事項


会議要約


文化遺産と発展

文化と発展の根本的なつながりは、文化遺産保護の専門家と社会経済発展の専門家に、共通の目標を気づかせてくれます。これは、組織や政府が文化と発展の結びつきを探求するにつれ、ますます明らかになっています。UNESCOは意義のあるレポートを発表しており、1998年3月には文化と発展に関する国際会議を招集する予定です。同種の探求は、国際・地域・国家・地区のレベルにおいて、世界のあらゆる場所で行われています。文化と発展の相互作用の認識は、発展をその環境の中で考える必要性というかつての認識に匹敵するものです。

世界銀行の文化遺産に対する関心の高まりは、同銀行の頭取、多くの幹部、顧客政府も表明しており、これは急務に取り組み、適切な活動に着手する決意を示しています。世界銀行では、新しい柔軟な融資手段や、その他の可能な方法を利用して、顧客の関心と優先度に従って、支援を提供する準備をしました。

過去においても、銀行出資プロジェクトが文化遺産の一部に関係している場合がありました。今回の活動では、事前対策的な立場を取り、貧困緩和、社会的団結、紛争解決、そして特に民主主義と環境の保護に関係する、文化面での発展を重視します。


文化遺産の実際的な定義

文化遺産とは、物品・建造物・遺跡・景観といった形態の物質文化や、音楽・技術・舞台芸術・文学・言い伝え・言語といった形態で表される生活(表現)文化を含んだものです。文化は有機的で進化するという認識を持ち、過去・現在・未来へと続く文化の継続性を重視します。場合によっては、最初または初期の状態で文化遺産を記録し、構成要素を保存する必要があります。また、文化を構成する物品や文化の形態の動的な変化・適応・発展を促進することが最適な場合もあります。

こうした過程には本質的に、国際的な関心・価値と、愛国心・倫理・宗教的慣習の主張や地域社会の優先度との相互関係が含まれます。文化遺産を未来に残すための鍵は、こうした地域社会の営みや社会の相互作用との結びつきにあります。


行動ネットワーク、パートナーシップ、世界銀行

資源を有効に利用するには、文化遺産の専門家の知識と、社会経済・基本施設開発の専門家の知識を組み合わせ補足する必要があります。全体として、国家や社会は、こうした資源を文化遺産保護の計画、出資、実施、評価に役立てることができます。

文化遺産の保護や管理の経験は、世界中のさまざまな組織や個人が保有しています。ネットワーク計画グループを召集することで、世界銀行はこうした組織や個人が持ちうる力を認識し、共同作業の機会を探っています。共同作業は、このネットワークを通じて、さらに機関同士の合意によって、実現を目指しています。

最初の共同作業は、1997年11月にJ. Paul Getty Trustと結んだ、文化遺産維持のための運用提携でした。その他の組織や国家政府も、同様の合意に基づいて活動しています。


ネットワークの構成

1月の研究グループの会議では、世界中の文化遺産保護につながるネットワークの形成について、現在の活動や制約、社会経済の発展にうまく統合する可能性を含めて、検討しました。このネットワークが広い範囲で有効性を示すためには、幅広い種類の組織が参加し、地域・国家・地区レベルで広がっていく必要があります。



ネットワークの優先事項

会議中には、グループが判断した優先事項の理由と目的に関する討論も行われました。こうした優先分野とグループが刺激した行動は、相互関係を持ち、互いを補っています。

(1)知識の管理と情報の普及

情報の管理・普及の向上は早急に行う必要があり、これは文化遺産の保護・管理のあらゆる側面に利益をもたらすことになります。最初のステップとして明らかなのは、利用可能な新しいツールやコンセプトを利用して文化遺産に関する情報を整理することです。これが実現すれば、遺産保護・管理のあらゆる側面が利益を受けるでしょう。

情報は、主張・教育・プロジェクトの計画と実施・資金調達・調査・鑑定・機関の設置において有効に利用できるように、整理・提示すべきです。また、その情報を利用する世界中の各団体にとって最適な形式で、整理・提示すべきです。

文化遺産管理に関する既存の情報は、社会経済の発展・環境保護・土地利用計画・法律・金融といった関連分野の補足的な資料によって増強する必要があります。数多くの知識の隙間は、目的別データ収集・分析・研究・文化遺産の認知を強化する調査ツールの相互開発を通じて、埋めることができます。

Getty Information Institute(ゲティ情報協会)は、ネットワーク情報行動グループを統轄することに合意しており、1月28日の会合で、世界銀行のスタッフと作業を開始しました。両者は、コンピュータを通じて利用できる既存の情報源へのインターネット・ゲートウェイを設置するための最初のステップについて検討しました。ICOM副委員長のPatrick Boylanは、メーリングリストを設置・管理しており、ネットワークメンバーのLISTSERVとなっています。

(2)ネットワークの拡大

このネットワークは、早急に成長させ、文化遺産保護を社会経済の発展と統合するという課題にとって最適な広い基盤を持つ団体にすべきです。こうした分野において、地域・国家・地区レベルで現在活動中または今後活動の可能性がある組織の数と範囲については、まだリストアップされていません。研究グループのメンバーは、国家・地区レベルの実地調査の結果および既存の組織ネットワークを利用することで、このネットワークが地域会議を通じて急速に拡大することを願っています。情報管理における初期の作業は、文化遺産と発展のプロジェクト・活動に参加できる政府・市民・民間組織や個人のリストを作成・管理することです。

(3)主張と教育

文化遺産は世界中で危機に瀕しており、この状態を生み出している数々の要素には、住民の圧力、管理の不適切な観光事業と基本施設開発、規制の不十分な建築、ある種の貿易、マーケティング、国際コミュニケーション形態、環境悪化、破壊行為、盗難、武力紛争が含まれます。こうした状況を公にし、損失の規模と意味を説明するには、幅広く、調和の取れた努力を徹底して行う必要があります。文化遺産の保護を主張するには、政府をはじめ、開発業者・軍人・立法者・資本家・社会経済発展団体や、若者を含む一般大衆にいたるまでの幅広い人々に実状を伝えなくてはいけません。適切なメッセージを、さまざまなメディアを通して、可能な限り幅広い人々に伝達する必要があります。

文化遺産保護を社会経済発展の枠組みに取り入れると、グローバル化・基本施設・観光業の課題をチャンスに変える可能性が生まれます。文化を、発展の中で、発展に役立つもの−−生活共同体の中の価値ある表現や物品−−として捉えることは、保護の優先度設定や管理に関する地域の所有意識・責任を強化することにつながります。この全体論的・予防的な視点の主張が成功させるには、文化と発展の専門家の両方、さらにあらゆる種類の地区・国家の投資者にとっての明確な利益を証明する共同事業を定義しなくてはいけません。

(4)証明プロジェクト

文化遺産保護を社会経済発展促進の手段とする方法の可能性と成功は、プロジェクトを通じて証明すべきです。こうしたプロジェクトは、両方の目的を実現するために慎重に計画し、実行中も綿密にモニターする必要があります。成功した戦略・技術・成果は共有し、必要な修正を加えて繰り返せるようにします。

プロジェクトでは、文化遺産保護団体同士が協力し、共同で作業を進め、文化とは関係のない部門や、その国の専門家・地域住民も参加させます。また、地域住民に利益を与え、仕事の継続性を保証する社会経済戦略に関して、先導する地域投資家と共に、慎重に計画・考案・試験を行わなくてはいけません。

事例研究の要約は、信頼できる方法論と、広い意味での文化遺産と発展に最適なアプローチの数々を提示してくれます。成功したプロジェクトを十分に説明し公表すれば、この作業の資金源拡大を主張した実例を示すことで、保護と発展の動機を強化することになります。

(5)資金供給

文化遺産保護に必要な資金は、現在利用可能なものを遥かに上回っています。文化は、多くの政府・非政府団体・民間部門によって選択肢の一つ、または優先度の低いものと見られ、軽視されています。予算の削減や緊縮の時期、政府は往々にして文化に関する出費を最初に削ります。また、経済成長の時期ですら、文化に十分な資金が渡らない場合もあります。体制的な弱さを持つ文化部門での資金調達は、組織の分裂と不十分なコミュニケーション、情報共有の限界、活動の社会的・経済的利益を表現できないこと、主張の未熟さによって、阻害されています。このネットワークではこれらを優先分野と定め、進捗とともに、資金収集能力を増加させます。

社会経済発展の視点をネットワークメンバーの活動プログラムに加えると、文化遺産保護プロジェクトの準備と実施を支援する新しい資金源が必要になると同時に、こうした資金源を利用するチャンスが生まれます。地域共同体が、保護の優先度設定や、こうした優先度と幅広い発展のニーズとの連結や、こうしたプロジェクトの社会的・経済的利益の証明に参加する機会が増えれば、公的機関・財団・民間による文化遺産保護への出資増加につながります。

(6)調査

文化遺産の分野には膨大な調査予定があります。効率的な資源の割当を行うためには、文化遺産保護に関する過去・現在のプロジェクトおよび予定されるプロジェクトについて、さらにその参加者・後援者・目的・成果について、記録することが不可欠です。

基本的な要件は、文化遺産の定義であり、これはマッピングによる地理上の位置の特定に始まります。次に、物質文化・生活文化の両方の遺産を記録する必要があり、これは現代における文化遺産消失の速度を考えると急を要する任務といえます。こうした文化の多様性の記録は、生物の多様性を記録するのと同じく大変な仕事であり、分析と優先度設定を可能にするための基本的なステップです。

遺産に関する個別および全般的情報の記録・整理・提示を正確に行う上で、非常に優れたツールが存在しています。こうしたツールには、地理情報システム(GIS)、全地球測位システム(GPS)、遠隔計測、、コンピュータ、インターネットとwww、デジタルおよびアナログビデオ・オーディオ機器などが含まれます。こうしたツールの共同使用や開発を通して、このネットワークの調査や知識管理の予定は強化されていきます。

生活文化は地域社会をベースとして記録する必要があります。文化的資源から地域の投資家が得る利益を分析することが、文化遺産保護と、何よりも重要な発展の目標である貧困緩和を結びつけるための鍵になります。

文化経済学的な調査が最も重要です。文化遺産保護のコスト・利益分析および経済的見返りに関する一連の知識の獲得や、評価方法に関する先駆的活動の環境経済学からの流用に、早急に注目する必要があります。こうした活動は、幅広い遺産の保護・管理・保存の課題を解決するための主張や、必要な経済的資源の調達を行う上で、重要な役割を果たします。


地域分析

ネットワークメンバーは、小規模な計画グループの中で、世界銀行のスタッフと、世界の主な地域(アジア、アフリカ、ヨーロッパと中央アジア、中東、北アフリカ、ラテンアメリカとカリブ)の協力活動の問題と可能性について話し合いました。検討した議題には、情報交換、プロジェクト開発・実施、政策調査、評価、各地域でのネットワークの役割などがありました。この話し合いの要約は付録1(下記)に記載されています。

付録1:地域研究グループ会議要約

ネットワークの代表者と世界銀行のスタッフからなる小グループは、文化遺産と発展のための優先度や協力行動を考慮しつつ、世界の主な地域の状況について話し合いました。議題は、情報、プロジェクト開発、実施のための既存の支援、政策調査、評価、各地域でのネットワークの役割などでした。

アジア

国ごとに物質文化および生活文化を整理するための情報ネットワークが必要です。これには施設、機関、文化遺産の分野で活動するボランティア組織が含まれます。

世界銀行では、文化遺産の統合を、上層部からの援助、国家支援戦略の検査、全国環境行動プラン、環境評価、地域・国別活動とともに進めるべきです。健全で十分に準備されたプロジェクトと地域のリーダーシップにより、慎重に開始することを推奨します。

既存の活動や計画されている活動のための協力活動を促進すべきです。世界銀行の文化遺産活動の中心は、ネットワークとの連絡機構の役割を果たし、協力分野・優先度・特定のプランの決定を助けることができます。インドで進行しているような国家的な文化遺産行動プランは、包括的な計画立案という意味で奨励すべきです。1998年5月に世界銀行経済開発協会は大規模な投資家の討論会を開き、インドでの国家プランやプロジェクト開発について検討する予定です。

追加の資金源が必要とされており、この目標のために、環境保護と明確なつながりのある文化財の保護に関しては、世界環境機関Global Environmental Facilityからのある程度の資源の割当を考慮する可能性があります。

この地域では6つの国々(インド、ラオス、カンボジア、ベトナム、インドネシア、中国)に優先的に目を向ける必要があります。ヒマラヤ地域に対する注目も考慮すべきです。

アフリカ

アフリカの文化遺産は早急に取り組む必要があり、難題となっています。この分野は広範囲に渡っており、音楽、歴史文書や言い伝え、言語、技術、舞台芸術、物品・建造物・遺跡・文化的景観の形態での物質文化、伝統、慣習が含まれています。物質的文化遺産を保存・記録する差し迫った必要性があるものの、物品指向のアプローチでは、アフリカにおける文化遺産保護の課題を十分に満たすことはできません。

情報ネットワークの形成にあたっては、最初の段階からアフリカを含めておくことが重要です。こうしたネットワークでは、アフリカ内外で入手できる多数の既存の調査や資料にアクセスできるようにし、インターネットで使用できるように設計すべきであり、情報の収集と普及のためのメカニズムが必要です。会合、プロジェクト、先駆事業に関しての調整、協力活動、情報の共有を早急に行い、既存の資源からの利益を最大限にしなくてはいけません。ICCROM、ICOM(AFRICOMを通じて)、UNESCOの大きな成果は注目に値します。

世界銀行は、ノルウェー政府、スウェーデン政府、ロックフェラー財団、UNESCOを共同スポンサーに、アフリカにおける文化と発展に関する国際会議を1992年に召集し、その議事録を発表しました。現在、世界銀行では、アフリカでの文化遺産プロジェクトの必要性と機会を調査するためにささやかな努力を開始したいと考えています。

このアプローチでは、地域のプロジェクト所有権を保証し、アフリカの機関が果たせる役割を重視すべきです。本当の協力活動において、「研修」のコンセプトは、情報の共有・教育・能力開発を包含するまでに進歩します。過去の経験は、アフリカには独自の特性があるため、アフリカの外で開発された文化遺産保存技術と、アフリカの状況に合わせて特別に準備したアプローチを融合させる必要があることを示しています。

アフリカには、文化遺産と差し迫った社会経済開発目標、つまり雇用開発・技術研修・貧困緩和・社会統一・健康・教育などを、統合する機会が数多く存在しています。参加する組織や機関を確認し、目標を設定し、プロジェクトの評価基準を確立するための調査が必要です。この地域の各地で起こっている紛争や国家の動揺も、さらなる課題となっています。

ヨーロッパと中央アジア

情報共有の必要性を認識し、世界銀行のスタッフは文化遺産活動に関する利用可能な情報を提供しました。それと交換に、欧州委員会、世界建造物基金World Monuments Fund、UNESCOを含むネットワークのメンバーは、この地域での過去と現在の活動や緊急のニーズに関する情報を世界銀行に提供します。世界銀行では、文化遺産保護の専門家を、この地域の国々への代表団に参加させることが可能で、彼らは検討中・実施中の文化遺産プロジェクトについての勧告や、相手国の専門家と共に、将来銀行が出資するプロジェクトに含まれる可能性のある遺産について検討します。

この地域で活動するネットワーク組織は、予定される会合や協議事項の準備支援に勧誘することで、さらに協力の機会を得られます。欧州委員会は文化遺産に関する会合をさまざまな国で順次開催する予定です。世界建造物基金が1998年5月に予定している会合では、危機に瀕した建造物や遺跡を世界建造物監視リストWorld Monuments Watch listに登録するプロセス、さらに復元と保護に関する問題について検討する予定です。

この地域の試験プロジェクトでは、各ネットワーク機関が確認・設計・資金調達・実施・モニター活動において協力的に参加すべきです。こうした共同努力は、資金調達や実施に際しての建設的なアプローチの模索を刺激し、より経済的な資源の利用法につながります。

グルジアで現在行われている文化遺産プロジェクトは、世界銀行の新しい調整可能な融資手段、ラーニング・アンド・イノベーション・ローンLearning and Innovation Loan(LIL)を通じて出資されており、地域が文化を優先し維持する能力を形成するための文化観光活動を探求しています。文化観光活動の分野では、さまざまなネットワーク機関が大量の経験を有しています。ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタールにある歴史上重要な橋、Stari Mostの再建は、協力活動や補足的資源の適用を行う可能性のある、もう一つのプロジェクトです。いくつかのネットワーク機関は、全体としての調整なしに、このプロジェクトの準備の一部に参加しました。

この地域の国々の代表者と文化遺産保護について話し合い、幅広い範囲の寄付者からの支援を取り付ける必要があります。

中東と北アフリカ

情報の収集・整理・普及が大切ですが、最も重要なのは情報の体系化を行い、プロジェクトの実施や損害の予防に有効に利用することです。この地域の内外にある情報集を確認・調査し、隙間を埋める必要があります。情報はオンラインネットワークに統合し、状況に応じた分析を可能にすべきです。機関または合弁団体が、こうした組織の監督や有効な情報ベース維持の仕事に着手すべきです。

広範な文化遺産資源がある地域では、優先度の設定は極めて難しくなります。考えられる3つの判断基準は、その分野の専門家の見解、危機に瀕した建造物・遺跡・文化形態、地域の選択です。UNESCOは遺跡の3つのレベルを定めています。これは、世界遺産遺跡、「指定」遺跡または世界遺産の地位を得る可能性のある遺跡、国・地域の文化遺産関係機関がデータベース登録を認定する価値があると判断したすべての遺跡の3種類です。

危機に瀕した遺跡のリストは数多く存在しています。ただし、こうした意見は地域社会の価値や観点と比較して評価する必要があります。プロジェクトの判断と企画を行う上では、観光そのものではなく、地域の管理・参加・利益を重視すべきです。プロジェクトを成功させるには、戦略的なプランニングや投資家との話し合いが重要な要素となります。

この地域の文化遺産は象徴的な意義を非常に多く持っています。根の深い紛争が広がっているため、実施するすべてのプロジェクトにおいて、倫理と現実性の考慮を何よりも優先すべきです。

ラテンアメリカとカリブ

この地域では、文化遺産を重要な地位に押し上げるために、新たな枠組みが必要とされています。こうした戦略には、情報の共有、さまざまな社会部門への文化の統合、政治的・法的機構を通じた文化の重要性強化が含まれます。

協力活動の例は、地域と国家の両方のレベルで存在しています。進捗は遅く、困難である場合が多いとしても、文化遺産への関心や支援を拡大するために、投資家を集めるプロセスが不可欠です。重要な参加者にとしては、国家・地域政府当局者、特に文化や環境の責任者、観光事業を含む民間部門の代表者、非政府団体、金融機関・開発機関当局者が挙げられます。文化機関の形成や民主的な文化のビジョンを育むために、民主的なプロセスを利用する努力を行っています。

資金調達は問題であり、特に予算縮小の時期には、文化に対する公的な割当が削除されます。技術的な援助・研修・教育と共に、生産や経済利益を発生させるプロジェクトが大切です。この地域では、都市部の貧困と各都市の史跡地区の保護が課題となります。



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オリジナル文書はCultural Heritage and Development Network(世界文化遺産ネットワーク)のため、1998年2月に、Stephen Stern(Sstern@worldbank.org)と世界銀行のTia Duerが作成しました。

このページは、1998年3月29日に、ロンドンのCity University、芸術政策管理部のPatrick Boylan(P.Boylan@city.ac.uk)が作成しました。