インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  根津美術館 特別展「光琳と乾山 芸術家兄弟 響き合う美意識」

根津美術館 特別展「光琳と乾山 芸術家兄弟 響き合う美意識」

文 [エリアレポーター]コロコロ / 2018年4月13日
年に1回、恒例展示を毎年鑑賞する楽しみ



※主催者の許可を得て撮影しています

根津美術館では「光琳と乾山」が開催されており、プレス内覧会に参加しました。
恒例《燕子花図屏風》の展示は、この季節の風物詩です。 一つの作品をライフワークとして見続けると、作品の中に自分の鑑賞経験が刻みこまれていくのを感じます。

最初は、新たに理解することも多く発見もいっぱい。作品のどこに注目し、何に興味を持つかも変化します。
ところが数年たつと、理解も落ち着き見慣れて、関心が下がってくるのを感じていました。

その間に見た作品や体験、過去の鑑賞も影響するようです。
新たな発見ができなくなると興味も薄れます。昨年は其一の《夏秋渓流図》に心は奪われていました。

デザイン的に秀でた作品と理解したあと…


燕子花図屏風 尾形光琳筆 紙本金地着色 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵

この屏風は、呉服商に生まれた光琳が、着物の染色で使う型紙の技法を取り入れ、同じ図案を各所にちりばめたと聞きました。しかし、それがどの部分か全くわかりませんでした。
やっと見つけ、光琳の偉業はデザイン化だったと理解しました。

ところが次に見た時は、単調なパターン画に見えたのです。それは其一の《朝顔図屏風》と出会い、同じ3色を使った繰り返しなのに、朝顔は表情豊か。燕子花は面白みに欠けると感じるようになっていました。

年1回の鑑賞は、自分の興味がどこに向かい、何を見ているのか。他の作品の鑑賞体験や、いろいろなジャンルの見聞が影響します。
自分と作品がどのようにつながって、見た印象を作り出すのかが次第に見えてきました。

今年の新たな発見、左右で違った!

「屏風は右と左で見え方が全く違う」ことは既知のことでした。ところが、入口を入って見た瞬間、様子が全く違うのです。今まで何度も、角度を変えて見たはずなのに…



奥に見える燕子花、こんなに色が濃かったっけ?
空間構成も、こんなに立体的だった?(展示場所と動線が変化したから?)いつの間にか「平面的なデザイン化」された作品と固定して見ていたようです。

左隻に回ると突然、視界が奥へはじけ飛んだ気がしました。



手前の「濃い花」と右隻の「薄い花」の階調が、遠近効果をより増幅させたようです。ぜひ会場で体感して下さい。

燕子花のバリエーション

▼花色もこんなに違う



▼いろいろな表情をした花や蕾の存在


単調な青で面白みに欠けると思っていましたが、同じ群青でも、色や重ね方が違います。ベタ塗りと思っていた花は花びらの周囲に絵の具を重ね縁取りされていました。

自然観察からパターン化

蕾のパターンについて担当学芸員の野口剛氏に伺いました。
「庭園の蕾を見ていると、屏風に描かれたとおりに膨らんでほどけていきます。葉は3~4ストロークでリズミカルに描かれています」と。
毎年、庭の散策をすると、私たちも燕子花の様々な瞬間に出会えます。


(左)散り際のカキツバタ 2015.5.13 庭園(初めて来館時)
(右)これから蕾に 2018.4.13 庭園(今年の様子)

《燕子花図屏風》は緻密な観察によって自然の変化を捉えた作品だと確信しました。
変化の一瞬を選びとり普遍的な美しさにデザイン化し、時代を経て魅了し続けます。
今年は、デフォルメされた花が、自然から屏風に転写されたエッセンスだったことを理解しました。
訪れる時期や年によって変化する様子を屏風と比較してみては?

▼見ごろのカキツバタ

根津美術館 庭のカキツバタ


会場根津美術館
開催期間2018年4月14日(土)~2018年5月13日(日)
休館日月曜日(ただし、4月30日は開館)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
所在地東京都港区南青山6-5-1
03-3400-2536
HP : http://www.nezu-muse.or.jp/
料金一般 1,300円/学生 1,000円/中学生以下は無料
展覧会詳細へ 「光琳と乾山 ―芸術家兄弟・響き合う美意識―」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
コロコロ コロコロ
美術鑑賞から、いろいろなモノの見方を発見させられます。作品から広がる世界や着眼点を提示できたらと思っています。理系の目で鑑賞したら、そんな見方も提示できたらと思っています。こちらでネタを集めています。コロコロのアート見て歩記&調べ歩記録

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館「ターナー 風景の詩(うた)」
ターナー展
パナソニック 汐留ミュージアム「ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス」
ブラック展
森美術館「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」
建築の日本展
サントリー美術館「ガレも愛した-清朝皇帝のガラス」
清朝皇帝のガラス
東京都美術館「プーシキン美術館展 ─ 旅するフランス風景画」
プーシキン美術館展
三井記念美術館「大名茶人・松平不昧 -お殿さまの審美眼-」
大名茶人・松平不昧
東京富士美術館「河鍋家伝来・河鍋暁斎記念美術館所蔵 暁斎・暁翠伝」
暁斎・暁翠伝
東京国立博物館「名作誕生─つながる日本美術」
つながる日本美術
町田市立国際版画美術館「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして・・・」
浮世絵モダーン
国立科学博物館「人体 -神秘への挑戦-」
「人体」展
東京国立近代美術館「生誕150年 横山大観展」
横山大観
森アーツセンターギャラリー「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.2 -1990年代、発行部数653万部の衝撃-」
ジャンプ展VOL.2
名探偵コナン 科学捜査展 ~真実への推理(アブダクション)~
コナン科学捜査展
弥生美術館「セーラー服と女学生」
セーラー服と女学生
東京都美術館「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」
プラド美術館展
横浜美術館「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」
ヌード NUDE
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
すみだ北斎美術館「変幻自在!北斎のウォーターワールド」
ウォーターワールド
「静岡県富士山世界遺産センター」がオープン
静岡県富士山世界遺産センター
エリアレポート 金沢21世紀美術館「アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意」
[エリアレポート]
「霊性と寓意」
エリアレポート 横浜美術館「NUDE-ヌード 英国テート・コレクションより」
[エリアレポート]
NUDE-ヌード
エリアレポート パナソニック 汐留ミュージアム「ジョルジュ・ブラック展」
[エリアレポート]
「ブラック展」
エリアレポート 大阪市立美術館 特別展「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳暁斎まで」
[エリアレポート]
江戸の戯画
エリアレポート 国立科学博物館 特別展「人体 -神秘への挑戦-」
[エリアレポート]
人体
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2018年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕150年 横山大観展 ジョルジュ・ブラック展 田中智 ミニチュアワールド「Face to Face もっとそばに」 夢二繚乱
プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光 渡邊省亭没後100年 花鳥礼讃 特別展「人体 -神秘への挑戦-」 京のかたな
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 大和文華館 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2017 ミュージアムキャラクターアワード
2017 結果発表
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社