古美術ワンダーランド

絵はいろんなワンダーwonder（不思議）を持っている！ 　美術品というと，鑑賞を前提とした，少しかしこまったイメージを感じる人も多いかもしれません。日本人は古くから身の回りに「花鳥山水」という自然を題材にした図様あるいは飾り，デザイン性のあるものを置き，さりげなく使いこなしてきました。また絵には珍しいも　　のや興味深いものを写しとり，周囲に伝えるメディアとしての機能もあります。 ところで「美術」という言葉は，西洋のファイン・アートの訳語として明治初期に誕生しました。当時，庶民にまで浸透した耽美で爛熟した美の文化に外からの合理・経験主義の考えが入り混じり新時代への模索と葛藤が始まっていました。江戸後期から明治の時期を「美術」はどう表現したのか。文化はその時代の諸相をさぐる一つの切り口です。 今回の展示では当館収蔵品から掛軸を中心に感性やセンスを伝え，好奇心をくすぐるそんな絵画を皆さんにご紹介し，ちょっと小粋なワンダーランドへとご案内いたします。 うららかな春のひととき，美の迷宮でワンダフルな時間を過ごしてみませんか。 ☆展示解説日　4月19日（日），5月2日（土），5月16日（土） 各日11時～，14時～