終戦70年特別展示 トランクの中の日本
~戦争、平和、そして佛教~
主催 京都佛立ミュージアム/協賛 本門佛立宗/後援 京都市教育委員会/協力 小学館、KIMIKO ODANEL、サンマリノ共和国大使館、大原哲夫編集室、林風舍、宮沢賢治記念館、日蓮宗大本山中山法華経寺、日蓮宗宗務院、本門佛立宗 由緒寺院長松寺(順不同)
~この少年が死んでしまった弟をつれて焼き場にやってきたとき、私は初めて軍隊の影響がこんな幼い子供にまで及んでいることを知った。アメリカの少年はとてもこんなことはできないだろう。直立不動の姿勢で、何の感情も見せず、涙も流さなかった。そばに行ってなぐさめてやりたいと思ったが、それもできなかった。もし私がそうすれば、彼の苦痛と悲しみを必死でこらえている力をくずしてしまうだろう。私はなす術もなく、立ちつくしていた。[ジョー・オダネル]~ *ジョー・オダネル Joe O’Donnell
1922年5月、アメリカ・ペンシルバニア州ジョンズタウン生まれ。1941年6月、ペンシルバニア州ジョンズタウン・ハイスクール卒業後、ジョンズタウン・デイリー・トリビューン社で暗室係として働き、その年の12月にアメリカ合衆国海兵隊に志願する。1942年2月より従軍カメラマンとして、ボストンのマサチューセッツ工科大学などで現像の技術を学び、フロリダ州ペンサコーラをはじめ、国内で航空写真撮影の訓練を受ける。1945年9月、占領軍のカメラマンとして広島・長崎その他、空爆による日本の都市の被災状況を記録する任務を与えられ、終戦直後の日本へ上陸した。その後、7ヵ月間、軍の記録写真とするために広島・長崎など焦土と化した日本各地を撮影した。1946年3月、帰国し除隊。私用カメラで撮影したフィルムを自宅へ持ち帰り、その見るにたえない悲惨な写真をトランクにしまう・・・
「あの日から半世紀、私はついにあのいまわしい記憶の詰まったトランクを開けた・・・・・