2000年、藤 浩志とその家族は、いらなくなったおもちゃの交換を基本に、独自の子供通貨「かえるポイント」を使用して子ども達の自主的な活動を生み出すワークショッププログラム「かえっこ」を発案しました。以来、これまでに1000か所以上の様々な場所で「かえっこ」は開催されています。このシステムは、教育、遊び、環境、リサイクル、商店街活性化、地域活動、国際交流など、主催者や参加者の問題意識、場所の力によって目的が変化し、地域にさまざまな活動を作り出し、昨年はハラ ミュージアム アーク会場でも好評を博しました。人と人が対話し、それぞれが自主的に新しい関係を築くためのプラットホームづくりをするユニークな表現活動を展開する藤にとって、「かえっこ」はそのスタイルを端的にあらわすライフワークと言っても過言ではないでしょう。近年、作家は、このプログラムを始めて以来、みずからのスタジオに日々増え続けるおもちゃ(特に破片や汚れたものなど「かえっこ」されずに残り続けているもの)の中から特に厳選した素材を「Useless Selection」と命名し、それらを利用して様々な立体物を作るようになりました。
このたびハラ ミュージアム アークでは、こうして作られた立体作品と、それをもとに藤が描いた絵画作品を展示いたします。また、この夏「かえっこバザール」は、美術館に隣接する伊香保グリーン牧場内・特設「かえるステーション」にて開催されます。両施設を往来しながら「かえっこ」と藤 浩志の表現世界に触れてみてください。
■関連イベント
かえっこバザール (監修: 藤 浩志、企画協力:ハラ ミュージアム アーク)
7月18日[土]-8月31日[月] 9:00 am - 4:00 pm
会場:伊香保グリーン牧場内 特設[かえるステーション] 参加費:無料 (牧場入場料別)
※開催中の展覧会も併せてご覧いただけます。
併催:オマージュ-原美術館コレクション展(現代美術ギャラリーA・B・C)
会期:7月18日[土]-10月12日[月・祝日]
サイトゥオンブリー×東洋の線と空間 (特別展示室 觀海庵)
会期: 5月29日[金] -9月2日[水]