体内からイメージが沸き上がってくることがある。自然の一部であるはずの私たちにとって、自身の中から生まれる景色を見つめ、探求する行為にはどんな意味があるのだろうか?その心像は、揺らめき、うねり、微かに触れたと思っても、水面に立ち上がる波のように瞬く間に次なる景色へと変化していく。こうして止まることなく連続して現れる景色を追い求めていくうちに、私たちはより深く強度のある空間へと誘われる。利便性を優先する固着した生活環境からその身を振りほどき、自分の感性や霊性をもってその心像に向かわなくてはならない。それはあらゆるものと同化し流体の一部となることなのかもしれない。
本展覧会に参加するアーティストたちは、そうした心像に向かう時、外界の景色に寄り添い、触れることで、そこに心像を浮かび上がらせる。大地・伝統・社会・日常、あるいは物質としての身体など、異なる対象に向かうこの姿勢を〈Ritual〉(意:儀礼・作法・慣習的行為・定められた手順 など)と捉え、それぞれの接合面から生み出された写真、インスタレーション、ドローイングによって展覧会を構成する。本展覧会は、それぞれの律動を持った流体を1つの空間の中で共振させ、新たな流動の景色へと鑑賞者を誘う試みである。
【出品者名】
カリン・ピサリコーヴァ/齋藤彰英/佐藤香/スザンヌ・ムーニー/山本渉
【イベント】
● オープニングパーティ 8月7日(日)17:00~19:00
● アーティスト トーク 9月19日(月・祝)17:30~19:00
ゲスト:山川冬樹(アーティスト)
参加作家:カリン・ピサリコーヴァ/齋藤彰英/ムーニー・スザンヌ/山本渉