樂翠亭美術館 所蔵品展

　本展では、作品を作り出す上で重要な存在である素材に焦点を当てた作品を中心に展覧いたします。 　人がものを表現する手段として、土や木や石など様々な素材をつかいます。古来より受け継がれる歴史の深い陶芸や漆芸も、自然界からの素材を用い、その特性を生かした色や形を作り上げてきました。いま、その表現力は時代とともに多様性を増し、独自の表現を追求する作家たちは、制約を断ち切るかのように日々新たな挑戦を続け、表現世界の奥行きを広げています。作家が素材と向き合い、対峙するなかで鍛錬される技術や発見は作家自身を育て、作品を進化させています。作品から滲み出る作家と素材との対話を感じていただければ幸いです。 　展示室 蔵では、京都で４５０年以上にわたって脈々と受け継がれる茶碗師・樂家十五代当主 樂吉左衞門氏の次男として生まれた樂雅臣氏の石彫作品を展覧いたします。