2019年2月21日(木)、東京・千代田区の東京国立近代美術館工芸館で「The 備前―土と炎から生まれる造形美―」の報道向け内覧会が開催された。
備前焼は、岡山県備前市伊部地域を中心に作られたやきもの。中世から現代まで陶器の生産が続けられている六古窯(瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前)のひとつで、釉薬を施さないシンプルで原始的なやきものとして、古くから愛されてきた。
展覧会は3章構成で、1章「源流としての備前焼-茶の湯のうつわを中心に-」では、室町時代後期~江戸時代初期につくられた茶の湯のうつわなど、古備前を紹介。
2章「近代の陶芸家と備前焼-写しと創作-」では、備前焼で初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)となった金重陶陽をはじめ、藤原啓、山本陶秀、金重素山、藤原雄、伊勢﨑満と6人の近代作家の作品を展示。
3章「現代の備前焼-表現と可能性-」では現代の陶芸家として、伊勢﨑淳、森陶岳、島村光、金重晃介、隠﨑隆一、金重有邦、伊勢﨑創、矢部俊一、伊勢﨑晃一朗による多彩な作品を紹介する。
備前焼など釉薬を用いない「焼締陶」は、日本の伝統文化と捉えられ、海外で巡回展が開催されるなど、注目が高まっている。
中でも備前焼は人間国宝が5人も認定されるなど、魅力的な陶芸家が多く活動しており、展覧会では作陶の変遷を追いながら、あらためてその魅力を掘り下げていく。
「The 備前―土と炎から生まれる造形美―」は東京国立近代美術館工芸館で2019年2月22日(金)~5月6日(月・休)に開催。観覧料は一般 900円など。
東京展の後に、栃木・山口・滋賀・兵庫・岡山・愛知に巡回する。
発信:インターネットミュージアム
>「The 備前 ― 土と炎から生まれる造形美 ―」情報ページ
>東京国立近代美術館工芸館 公式サイト