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    レポート
    六本木クロッシング2013
    森美術館 | 東京都
    29組で語る、日本現代アートのいま
    森美術館で3年に1度開催されている「六本木クロッシング」。第4回となる今回も、日本のアートシーンを総覧します。
    小林史子 《1000の足とはじまりの果実》 2013年 六本木ヒルズ周辺と私の身の回りから収集してきた椅子と服 600 × 600 × 190 cm
    赤瀬川原平 《櫻画報 第23号 花嵐1》、《櫻画報 第23号 花嵐2》 1971年 インク、紙 27.2 × 19.8 cm Courtesy: SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo
    中村宏 (左)《基地》 1957年 油彩、合板 92 × 175 cm 所蔵:東京国立近代美術館 / (右)《聖火千里行》 1964年 油彩、キャンバス 130 × 162 cm 所蔵:高松市美術館、香川
    丹羽良徳 《日本共産党にカール・マルクスを掲げるように提案する》(部分) 2013年 2面マルチ・ビデオ・プロジェクション、大型拡声器、旗、垂れ幕、パネル 18分2秒 Courtesy: Ai Kowada Gallery, Tokyo
    新井卓 「Here and There-明日の島」シリーズ、展示風景
    柳 幸典 《ユーラシア》(部分) 2000–2001年 蟻、着色された砂、プラスチック・ボックス、プラスチック・チューブ、プラスチック・パイプ 235 × 594.5 cm (各25.0×36.5 cm、全91 個) Courtesy:ART BASE MOMOSHIMA, Hiroshima
    サイモン・フジワラ インスタレーション、展示風景
    笹本 晃 《耳の奥》 2013年 コンクリート、木、家具、皿、タンカード、フォーク、鉄、プラスチックの球体、照明器具、下着、モニター、DVD、他 1080 × 270 cm Courtesy: Take Ninagawa, Tokyo
    中平卓馬 《無題》 2006–2011年 タイプCプリント 90 × 60 cm (各、48点) 展示構成:オシリス

    森美術館開館翌年の2004年から開催されている「六本木クロッシング」。今回ははじめて、海外から2名のキュレーターを迎え、森美術館の片岡真実チーフキュレーターの3名による共同企画となりました。


    参加アーティストは、海外在住または海外出身の日系人も含めて29組。日本ではじめて紹介されるアーティストも含まれています。


    会場入口から


    丹羽良徳(1982年生)は地域や社会に介入するパフォーマンスやプロジェクトを行っているアーティスト。


    《日本共産党にカール・マルクスを掲げるように提案する》は、日本共産党の支部などを訪ねて、共産主義の父であるカール・マルクスの肖像写真を掲げるように依頼する行為を映像にした作品です。


    「日本共産党の現在の方針とマルクス主義の融和を試みた」というコンセプト。突然の訪問に困惑する人々の姿がユーモラスに映し出されます。


    丹羽良徳《日本共産党にカール・マルクスを掲げるように提案する》 2013年 Courtesy: Ai Kowada Gallery, Tokyo


    柳幸典(1959年生)の「アント・ファーム」シリーズは、文字通りアント=アリの動きを利用した作品。


    砂絵で作られた万国旗がチューブで繋がれ、中をアリが移動することで、国旗の意匠が崩壊していきます。


    冷戦構造が崩壊した1990年代の初頭から発表されたこのシリーズは、柳幸典の代表作です。


    柳幸典 「アント・ファーム」シリーズ《ユーラシシア》 2001年


    海外からキュレーターを迎えたのも、日系アーティストを含んでいるのも、グローバルの中での日本アートの位置付けを検証する意図から。


    参加アーティストは70年~80年代生まれの若手が中心ですが、赤瀬川原平をはじめ戦後の前衛美術を牽引してきた世代も何人かピックアップ。並列に紹介することで世代を超えた対話も目指しています。


    会場


    タイトルにつけられている「アウト・オブ・ダウト」は、社会通念や既存の制度に向けられた疑念(ダウト)から。


    震災を機に、今までの社会のあり方に対して多くの疑念が突きつけられた中で、いかに生産的な議論を生み出せるかという問題提起から設定されました。もちろん、簡単に答えが出るようなものではないでしょう。


    結論が無くても「議論をするための場」として設けられた「ディスカーシブ・プラットホーム」をはじめ、関連プログラムも多数。興味がある方は、公式サイトで詳細をご確認ください。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年9月20日 ]



    会場
    会期
    2013年9月21日(土)~2014年1月13日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    月・水~日曜日10:00~22:00
    火曜日 10:00~17:00
    (いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで)
    *展覧会により変更する場合がございます。
    *最新情報は、美術館のウェブサイトをご確認ください。
    住所
    東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.mori.art.museum/contents/roppongix2013/
    料金
    一般 1,500円/学生(高校・大学生) 1,000円/子ども(4歳-中学生) 500円
    展覧会詳細 「森美術館開館10周年記念展 アウト・オブ・ダウト展 ─来たるべき風景のために」 詳細情報
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