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    レポート
    モードとインテリアの20世紀 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―
    パナソニック汐留美術館 | 東京都
    島根県立石見美術館のコレクションを紹介
    国内屈指のモードコレクションが、島根県立石見美術館にある事をご存じでしょうか。同館のコレクションで、1900年初頭から1960年代までのモードの流れを同時代の主要なインテリアとともに紹介する展覧会が、パナソニック 汐留ミュージアムで開催中です。
    (左から)マリアノ・フォルチュニュイ《コート》1912年以降 / ポール・ポワレ《イブニング・ドレス》1913年
    (左から)ルトランジェ《題不詳》1900年頃 / ルトランジェ《題不詳》1900年頃
    (左から)ポール・ポワレ《ガーデン・パーティー・ドレス》1911年 / マリアノ・フォルチュニュイ《プリーツ・ドレス「デルフォス」》1910年代 / ポール・ポワレ《カフタン・コート「イスファタン」》1908年
    (左から)シャルル・マルタン《「モード・エ・マニエール・ドージュルドュイ」 ミュール》1913年 / シャルル・マルタン《「モード・エ・マニエール・ドージュルドュイ」 入浴》1913年
    (左から)作者不詳《イブニング・パンプス》1920年頃 / スザンヌ・タルボット《イブニング・コート》1925年頃 / エルザ・スキャパレリ《イブニング・ドレス》1938年 / マドレーヌ・ヴィオネ《イブニング・ドレス、ストール》1938年 / ジャンヌ・ランヴァン《ドレス》1936年
    《「ヴォーグ」アメリカ版》1953年3月1日号
    第3章「1940-1959年」
    (左奥2点、左から)作者不詳《ペーパー・ドレス》1966年 / パコ・ラバンヌ《イブニング・ドレス》1966年 (手前)森英恵《ホステス・ガウン「菊のパジャマ・ドレス」》1966年
    (左から)ルディ・ガーンライヒ《ミニ・ドレス、ビキニス》1967年 / ルディ・ガーンライヒ《ブーツ》1967年 / アンドレ・クレージュ《デイ・アンサンブル》1965-67年 / アンドレ・クレージュ《カメラ》1960年代後半-70年 / アンドレ・クレージュ《ドレス、ブーツ》1960年代後半-70年
    世界的なデザイナー・森英恵さんが生まれた島根県。島根県立石見美術館は「森鷗外ゆかりの美術家の作品」「石見の美術」とともに「ファッション」がコレクションの柱になっています。

    展覧会は同美術館より出品される約130点(うち衣装36点)の作品で、パリのオートクチュールを中心にモードの歴史を辿る企画。年代順の4章構成です。

    フランス上流階級の装いだったコルセットで絞め上げたスタイルから、肩からゆったりと布が落ちる自然なスタイルに変わったのは、20世紀に入ってから。新しい時代の女性美は、次第に受け入れられていきました。


    第1章 1900-1919年

    第一次世界大戦(1914-18)が終わると、社会には活気が戻ります。

    1920年代は、狂乱(狂騒)の時代。女性解放の動きも盛んになり、少年のようなスリムなボディが美の基準となりました。ただ、華やかな時代は1929年秋の世界大恐慌で急停止する事となります。

    インテリアに目を移すと、この時期はアール・デコから機能主義に移行していった時代。装飾を抑え、工業製品としての側面が強調されるようになりました。


    第2章 1920-1939年

    第二次世界大戦ではパリにドイツ軍が侵攻しました。オートクチュール・メゾンも休業を余儀なくされますが、終戦翌年の1946年には早くもパリ・コレクションが再開。パリはファッションの本場として権威を取り戻します。

    この時代になると、アメリカの台頭も顕著になります。建築やインテリアの分野ではナチスを逃れて欧州から渡ってきたデザイナーたちが斬新なデザインを提案。ファッションの新たな発信地として、ニューヨークの存在感も増していきました。


    第3章 1940-1959年

    60年代になるとカウンターカルチャーに注目が集まります。若者文化はハイ・ファッションにおいても無視できない存在になり、ロンドンの街中で生まれたミニ・スカートも、オートクチュールに取り入れられました。

    この章の冒頭にある鮮やかなピンクのドレスは、森英恵さんによるデザイン。日本の意匠を取り入れた繊細なデザインは世界を魅了し、1977年にはアジア人として初めてパリのオートクチュール協会に会員として認められました。


    第4章 1960年代

    展覧会の図録(2,980円)は、A5判のコンパクトサイズながらコラムも多く読み応えたっぷり。ファッションの歴史に詳しく無い方にもオススメいたします。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年9月16日 ]

    ※作品はすべて島根県立石見美術館所蔵

    TOKYO美術館2015-2016TOKYO美術館2015-2016

     

    エイ出版社
    ¥ 999


    ■モードとインテリアの20世紀 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2016年9月17日(土)~11月23日(水)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(入館は17:30まで)
    休館日
    毎週水曜日(ただし11月23日は開館)
    住所
    東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    03-5777-8600 (ハローダイヤル)
    公式サイト http://panasonic.co.jp/es/museum/
    料金
    一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中・高校生 500円、小学生以下 無料
    展覧会詳細 「モードとインテリアの20世紀 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」 詳細情報
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