1996年に開館した以前の博物館に比べて展示面積が1.7倍になった、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(愛称・空宙博:そらはく)。館内は「航空エリア」から「宇宙エリア」に進む動線です。早速、航空エリアからご紹介しましょう。
最初に目に入るのが、陸軍 乙式一型偵察機(サルムソン2A-2)。大正~昭和時代に、各務原で約300機がライセンス生産されました。上部には人類初の動力付き飛行機、ライトフライヤー。木や布が使われているクラシックなスタイルは、独特の雰囲気があります。
続いて、日本で初めて水冷エンジンを搭載した戦闘機「飛燕」。この機体が現存する国内唯一のもので、近代化産業遺産にも指定されています。上部の十二試艦上戦闘機は、各務原で試験飛行を繰り返した後に正式採用され、「零戦」として活躍しました。
先に進むと、真っ白な大空間に20機の実機がずらり。航空機と回転翼機の歴史が辿れます。奥でひときわ目立つ大きな機体は、低騒音STOL実験機「飛鳥」。製造当時、同程度の規模の飛行機の半分以下の離着陸距離を実証した名機です。
操縦体験ができるシミュレーターも用意されています。大型旅客機用と小型航空機用があり、子どもはもちろん、大人も夢中になりそうです。
「航空エリア」続いて、今回のリニューアルで大幅に拡充された宇宙エリア。人類の宇宙への挑戦の歴史が紹介されています。
目を引く巨大なフェアリング(ロケット先端部のカバー:実物)は、中に入る人工衛星などを摩擦熱から守るもの。岐阜県の企業で作られました。
上の階に進むと、ロケット開発の歩みから。日本のロケット開発は、わずか全長23cmのペンシルロケットからスタートしました。
天気予報、BS放送、GPSと、すでに私たちの暮らしに欠かせない人工衛星も紹介。ISS(国際宇宙ステーション)日本実験棟「きぼう」の実物大模型は、中に入る事もできます。
最後は、現在も続いている宇宙探査について。日本の最新鋭探査機「はやぶさ2」とNASAの探査機「キュリオシティ」が見られるのも、国内ではここだけです(ともに実物大模型)。
ミュージアムショップでは、空宙博オリジナルグッズをはじめ、数多くの航空宇宙に関連する商品を用意。ミュージアムカフェでもオリジナルメニューがお楽しみいただけます。
「宇宙エリア」今回のリニューアルを機に、小中学生の入館料が無料になったので、コアなファンはもちろん、家族連れにも最適です。
そして、実は女子にも強くオススメ。ドラマチックな展示空間に魅力的な機体と、どこを撮ってもインスタ映えすること、間違いなしです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年3月19日 ]■岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 に関するツイート