IM
    レポート
    大英博物館 古代エジプト展
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    全長37mの『死者の書』
    人は死後に冥界で長い旅路に出て、来世で復活すると考えられていた古代エジプトの世界。大英博物館が誇るエジプトの至宝、全長37mという世界最長の『死者の書』《グリーンフィールド・パピルス》が、森アーツセンターギャラリーで公開されています。
    《ホルアアウシェブの人形棺と女性のミイラ》
    《グリーンフィールド・パピルス》の展示
    《グリーンフィールド・パピルス》に描かれた「審判」
    会場「冥界の旅I」。左は《ペスエンムウトの供養碑》
    《カノポス容器の模型》
    《神官イレトホルイルウのミイラと木棺》
    《セニの外棺に記されたコフィン・テキスト(棺柩碑文) ─ 『死者の書』の前身》(左)と、《『死者の書』が描かれたミイラの覆い布》(右)
    《パセンホルの木棺》(右)
    7月13日(金)のナイトミュージアムには、ミュージカル『アイーダ 愛に生きた王女』に出演中の劇団四季の阿久津陽一郎さんがスペシャルゲストとして登場しました
    1753年創設の世界最古の国立博物館、大英博物館。年間の来館者数は600万人、所蔵品は800万点以上という桁違いの巨大博物館ですが、中でもエジプト部門はロゼッタ・ストーンを初め10万点以上所蔵するなど、世界屈指の内容で知られています。

    本展には2体のミイラ、極彩色の棺、護符、装身具など、約180点のエジプトコレクションが来日。古代エジプトの祈りの世界を多面的に紹介していきます。


    会場「冥界の旅I」

    会場前半は、暗い展示室の「冥界の旅I」から。

    死者の書が描かれたミイラの覆い布、守護の力を持つと信じられた副葬品、色鮮やかな供養碑などが黒い室内に浮かび上がり、ミステリアスなムードが漂います。


    《ベスエンムウトの木棺》に記された『死者の書』

    本展最大の注目が、世界最長の『死者の書』《グリーンフィールド・パピルス》。全長37mの長編絵図が、オレンジ色の室内で壁面を周回するように展示されています。

    『死者の書』は様々な試練が待つ旅路で死者に守護の力を与えるもの。《グリーンフィールド・パピルス》は女性神官のために作られたものです。

    冥界の王オシリスの審判を経て永遠の生命を手に入れるまでが描かれていますが、珍しいのは他の『死者の書』にはほとんど見られない「天と地のはじまり」の挿絵。大気の神シュウが天空の女神ヌウトを持ち上げて天と地を作った様子が描かれています。


    全長37mの《グリーンフィールド・パピルス》。「天と地のはじまり」が描かれている。

    会場後半の「冥界の旅II」は、一転して明るい展示室となります。審判をくぐりぬけた者だけが入ることが許された、来世の楽園のイメージでしょうか。

    ここでは神殿の儀式道具とともに見つかった銀製の天秤皿や、裁判官が護符として身につけていたマアト女神の金製ペンダントを紹介。また、審判を無事に通過した証として、頭にロータスの花の冠をつけた《パセンホルの木棺》なども紹介されています。


    《パセンホルの木棺》

    森アーツセンターギャラリーで開催中の東京展は、9月17日(月・祝)まで。会期中の金曜日は23:30まで見ることができる「ナイトミュージアム」も開催されます。

    7月13日(金)のナイトミュージアムには、劇団四季のミュージカル『アイーダ 愛に生きた王女』でラダメス役を演じている一人、阿久津陽一郎さんがスペシャルゲストとして登場。古代エジプト壁画研究家の村治笙子さんとのミニトークショーは、多くのファンで賑わいました。(取材:2012年7月13日)

    会場
    会期
    2012年7月7日(土)~9月17日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    ※展覧会によって異なります。
    休館日
    ※会期中無休
    住所
    東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://egypt2012.jp/
    料金
    【当日券】
    一般 1,500円/高大生 1,000円/小中生 500円
    ※詳細はホームページをご覧下さい。
    展覧会詳細 大英博物館 古代エジプト展 詳細情報
    おすすめレポート
    学芸員募集
    大阪府立博物館 学芸員募集(考古・古代史) [大阪府立近つ飛鳥博物館 又は 大阪府立弥生文化博物館]
    大阪府
    【公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団】学芸員募集 [ポーラ伝統文化振興財団(品川区西五反田)141-0031 東京都品川区西五反田2-2-10 ポーラ五反田第二ビル]
    東京都
    丸沼芸術の森 運営スタッフ募集中! [丸沼芸術の森]
    埼玉県
    八尾市歴史民俗資料館 学芸員募集中! [八尾市歴史民俗資料館での学芸員職]
    大阪府
    <Bunkamura>ザ・ミュージアム 学芸補助 契約社員募集 [Bunkamura(事務所)]
    東京都
    展覧会ランキング
    1
    東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ) | 東京都
    逆境回顧録 大カイジ展
    開催中[あと45日]
    2024年3月16日(土)〜5月12日(日)
    2
    SOMPO美術館 | 東京都
    北欧の神秘 ― ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画
    開催中[あと73日]
    2024年3月23日(土)〜6月9日(日)
    3
    東京都美術館 | 東京都
    印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵
    もうすぐ終了[あと10日]
    2024年1月27日(土)〜4月7日(日)
    4
    東京国立近代美術館 | 東京都
    美術館の春まつり
    もうすぐ終了[あと10日]
    2024年3月15日(金)〜4月7日(日)
    5
    国立科学博物館 | 東京都
    特別展「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」
    開催中[あと80日]
    2024年3月16日(土)〜6月16日(日)