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    レポート
    花開く 江戸の園芸
    【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
    江戸の都市文化だった園芸
    今から150年前。幕末に来日したイギリスの植物学者、ロバート・フォーチュンは「日本人のいちじるしい特色は、下層階級でもみな生来の花好きであるということだ」と驚いたそうです。江戸の都市文化だった園芸を、江戸東京博物館が掘り下げます。
    《草花図屏風》
    会場導入は縁日のような演出
    歌川国盛(二代)《とうもろこしに蓮の花咲く図》
    江戸時代の簡易型栽培温室「唐むろ」
    植木鉢の普及を紹介するゾーン
    植木鉢は裏面も見られるようになっています
    歌川国芳《見たて五行 土 とこなつ》
    関根雲停《万年青七種 金魚葉椿 斑入薔薇》
    さまざまな変化朝顔
    江戸東京博物館で初めて開催される、園芸と園芸文化をテーマにした特別展。会場は以下の構成で進みます。

     序章 プラントハンターの驚き
     1章 花と緑の行楽文化
     2章 植木鉢の普及と高まる園芸熱
     3章 武士の愛した不思議な植物たち
     4章 江戸園芸三花 -朝顔・花菖蒲・菊-
     終章 園芸文化の明治維新

    導入から、いつものエドハクとは違う雰囲気。植木市のような演出で、江戸の園芸の世界に誘います。


    会場入口

    日本人は古来から自然と親しむ暮らしを営んでいましたが、販売するために植物を栽培したり、生活を飾るために植物を購入し始めたのは江戸時代から。

    なかでも、江戸時代の中頃から本格的に普及しはじめた植木鉢は、販売と栽培の両面からそれまでの園芸に革命的な変化をもたらせました。

    会場では江戸の植木屋跡地の発掘調査によって出土した植木鉢などが紹介されています。


    当初は、日用品の容器の底に穴をあけて、植木鉢に仕立てて使っていました

    会場で目をひくのは、鮮やかな浮世絵の数々。第2章には、三枚続を含めて浮世絵がずらりと並びます。

    浮世絵に描かれているのは、植木市の賑わいや植木職人の姿、人々が植木を愛でる様子など。江戸の町と園芸の密接な関係が伺えます。


    浮世絵が並びます

    会場の後半は、現代の感覚では鑑賞の対象にならないような珍しい植物や、江戸の園芸植物の中でも特に人気があった朝顔・花菖蒲・菊に焦点を当てた展示など。

    造花ではありますが、参考出品として展示されている市川団十郎と瀬川菊之丞の菊人形も見事です。


    参考出品の菊人形

    なお、開館20年を迎えた江戸東京博物館では「20歳のあなた! 20円で江戸博をまるごと楽しんじゃおう!」キャンペーンを実施しています。

    2013年9月1日(日)までの会期中、年齢を証明できるものをご提示いただいた20歳の方(1992年7月1日~1994年4月1日生まれの方)は、20円で特別展・常設展の両方が楽しめるというもの。小金井市の江戸東京たてもの園でも同時開催中ですので、該当する方は要チェックです。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年7月29日 ]

    浮世絵でめぐる江戸の花: 見て楽しむ園芸文化

    日野原 健司 (著), 平野 恵 (著)

    誠文堂新光社
    ¥ 2,625

    料金一般当日:800円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2013年7月30日(火)~9月1日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:30
    ※入館は閉館の30分前まで。
    休館日
    月曜日休館 ただし8月12日(月)は開館
    住所
    東京都墨田区横網1-4-1
    電話 03-3626-9974(代表)
    公式サイト http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
    料金
    特別展専用券
    一般 800(640)円/大学・専門学校生 640(510)円/小学・中学・高校生・65歳以上 400(320)円/20歳(1992年7月1日~1994年4月1日生まれ) 20円
    ※()内は20名以上の団体料金
    ※特別展・常設展共通券、特別展前売券については公式サイトをご覧ください
    展覧会詳細 花開く 江戸の園芸 詳細情報
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