江戸東京博物館で初めて開催される、園芸と園芸文化をテーマにした特別展。会場は以下の構成で進みます。
序章 プラントハンターの驚き
1章 花と緑の行楽文化
2章 植木鉢の普及と高まる園芸熱
3章 武士の愛した不思議な植物たち
4章 江戸園芸三花 -朝顔・花菖蒲・菊-
終章 園芸文化の明治維新
導入から、いつものエドハクとは違う雰囲気。植木市のような演出で、江戸の園芸の世界に誘います。
会場入口日本人は古来から自然と親しむ暮らしを営んでいましたが、販売するために植物を栽培したり、生活を飾るために植物を購入し始めたのは江戸時代から。
なかでも、江戸時代の中頃から本格的に普及しはじめた植木鉢は、販売と栽培の両面からそれまでの園芸に革命的な変化をもたらせました。
会場では江戸の植木屋跡地の発掘調査によって出土した植木鉢などが紹介されています。
当初は、日用品の容器の底に穴をあけて、植木鉢に仕立てて使っていました会場で目をひくのは、鮮やかな浮世絵の数々。第2章には、三枚続を含めて浮世絵がずらりと並びます。
浮世絵に描かれているのは、植木市の賑わいや植木職人の姿、人々が植木を愛でる様子など。江戸の町と園芸の密接な関係が伺えます。
浮世絵が並びます会場の後半は、現代の感覚では鑑賞の対象にならないような珍しい植物や、江戸の園芸植物の中でも特に人気があった朝顔・花菖蒲・菊に焦点を当てた展示など。
造花ではありますが、参考出品として展示されている市川団十郎と瀬川菊之丞の菊人形も見事です。
参考出品の菊人形なお、開館20年を迎えた江戸東京博物館では「20歳のあなた! 20円で江戸博をまるごと楽しんじゃおう!」キャンペーンを実施しています。
2013年9月1日(日)までの会期中、年齢を証明できるものをご提示いただいた20歳の方(1992年7月1日~1994年4月1日生まれの方)は、20円で特別展・常設展の両方が楽しめるというもの。小金井市の江戸東京たてもの園でも同時開催中ですので、該当する方は要チェックです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年7月29日 ]