18世紀後半の新古典主義から第二次世界大戦後にアメリカンアートが台頭するまで、世界の美術の中心地だったフランス。なかでも印象派とエコール・ド・パリは、フランス近代絵画の中心的な流れとして知られています。
本展は、ある日本人コレクターが一人で集めたフランス美術をご紹介する企画。他の展覧会ではあまり紹介された事が無い作品も含め、会場には71点が並びます。
会場入口から展覧会は3章構成、まず第1章は「印象派とその周辺の画家たち」です。
当時のアカデミックなサロンに反発するように、現代の生活を主題に、太陽の光をとらえる絵画を追及した印象派。ルノワール7点をはじめ、モネ4点、セザンヌとシスレーは各2点、ボナールとマルケが1点づつです。
第1章「印象派とその周辺の画家たち」続いて第2章は「革新的で伝統的な画家たち」。印象派が理解されるようになった後、若い画家たちは新たな表現を模索。フォーヴィスムやキュビスムの動きに繋がっていきます。
この章ではヴラマンク10点、ルオー6点、デュフィとドランが2点づつ紹介されます。
第3章は「エコール・ド・パリの画家たち」。第一次世界大戦後のパリには多くの外国人芸術家が集い、モンマルトルやモンパルナスで競うように個性的な作品が生まれました。
ポーランド人のキスリングが7点、日本の藤田嗣治は6点、ロシア系ユダヤ人のシャガールは4点、イタリア出身のモディリアーニは2点、そして地元パリ生まれのユトリロ11点、ローランサンが4点です。
西洋美術好きなら外れ無しの、フランス近代美術のオールスターが揃う企画展。兵庫からはじまった全国巡回展で、東京展は2会場目。以後は2015年6月27日(土)~8月23日(日)に北海道立近代美術館、2015年9月20日(日)~11月23日(月・祝)に宇都宮美術館に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年10月17日 ]