IM
レポート
ジェームズ・アンソール ─ 写実と幻想の系譜 ─
SOMPO美術館 | 東京都
紙幣にも使われたベルギー近代絵画の雄
マグリット、ポール・デルヴォーらとともにベルギー近代絵画を代表する存在のジェームズ・アンソール(1860-1949)。世界で最も多くアンソールの作品を所蔵するアントワープ王立美術館のコレクションより100余点が来日し、仮面や骸骨などのグロテスクな代表作と、そこに至る前の初期の画業、さらに周辺の画家の作品も含めて展観します。
《シノワズリー(または大きなシノワズリー、団扇と織物)》《エイ(または'魚'あるいは'静物:魚、藁の上のエイ、籠、ニシン')》
《イーゼルに向かう自画像》(右)
右の《上向きの鼻の女性(画家の恋人)》は、アンソールが恋をしていたとも考えられている女性だが事実は不明
奥は《牡蠣を食べる女(または色彩の国にて)》。207cm×105cmの大作で、損保ジャパン東郷青児美術館に入る大きさとしてはこれが限界だとか
《扇子を持つ婦人(ミッチェ・アンソール)》《ブルジョワのサロン(またはサロン"印象")》
《愛の園》《仮面劇‘かすみの効果’》
《悲しみの人》
《陰謀》

豊田市美術館愛媛県美術館を経て、東京・新宿区の損保ジャパン東郷青児美術館に巡回してきたアンソール展。会場は「写実と反アカデミスム」「グロテスク絵画に向けて」の大きく2章構成で、さらに2章とも小さな章に分かれています。


展覧会はパネル解説が豊富なことが特徴的です。17世紀のオランダの風景・風俗画家、外光主義、美術アカデミーなどの要素とアンソールとの関係が矢印入りの図で説明されており、事前の知識が少ない方も楽しんでもらえる工夫は高感度大です。


会場


宗教や歴史的な主題を写実的に描くことを求めた美術アカデミーに対し、生涯を通じて反発し続けたアンソール。


アカデミスムは、無名の人々が一般的な活動をしている場面を描いた「風俗画」を軽視していましたが、アンソールは数多くの風俗画も手がけました。


《ブルジョアのサロン》


アンソールは1880年代半ば以降、仮面や骸骨に代表されるグロテスクな主題を描くようになります。レンブラントの銅版画、北斎の浮世絵、初期のフランドル美術、イタリアの仮面劇「コメディア・デラルテ」などを探求し、独自の世界観を確立していきます。


並んで展示されている《首吊り死体を奪い合う骸骨たち》と《絵を描く骸骨》は、ともに骸骨を描いたもの。モチーフの不気味さとは裏腹に、明るい色彩の軽やかな雰囲気も印象的です。


《首吊り死体を奪い合う骸骨たち》と《絵を描く骸骨》


展覧会のメインビジュアルがこちらの《陰謀》。アンソールの作品としては最もよく知られている代表作です。


上半身のみが並ぶ構図は、ルーベンスの《キリストと姦通の女》から着想したとも言われています。


《陰謀》


アンソールは同時の画壇では異端児でしたが、音楽を愛する陽気な一面もあったようで、あるパーティーの余興では鼻で縦笛を吹いたこともあるとか。


その作品も次第に評価されるようになり、晩年には男爵にまで昇格。ユーロになる前の旧100ベルギーフラン紙幣にも肖像が使われるほど、母国の尊敬を集めたのです。


展覧会は東京展の後には、岩手県立美術館(2012年11月23日~2013年1月14日)、岡山県立美術館(2013年2月8日~3月17日)に巡回します。(取材:2012年9月14日)


The Royal Museum of Fine Arts Antwerp



料金一般当日:800円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

会場
会期
2012年9月8日(土)~11月11日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜休館(ただし9月17日、10月1日、8日は開館)
住所
東京都新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン本社ビル42F
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://www.sompo-japan.co.jp/museum/
料金
一般:1000円(800円)
大・高校生:600円(500円) ※学生証をご提示ください
65歳以上800円 ※年齢のわかる物をご提示ください
中学生以下無料 ※生徒手帳をご提示ください
障害者無料
※障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者手帳)のご提示によりご本人とその介護者(1名まで)は無料。ただし、被爆者健康手帳をお持ちの方は、ご本人のみ無料。
※( )内は20名以上の団体料金および前売り料金
※前売券の詳細はホームページをご覧ください。
【お客様感謝デー無料観覧日:10月1日(月)】
展覧会詳細 アントワープ王立美術館所蔵 ジェームズ・アンソール 詳細情報
おすすめレポート
ニュース
ご招待券プレゼント
学芸員募集
展覧会ランキング
おすすめコンテンツ