松戸市立博物館で毎年開催されている「学習資料展」。小学校3年生の社会科「きょうどにつたわるねがい ―昔のくらし―」に合わせた企画です。
今年も実際に松戸にあった農家をモデルに「住まう」「食べる」「着る」「くらす」「たがやす」を紹介していきます。
会場展示されている道具は触ったり動かしたりできるものが多いので、当時の生活をリアルに実感できます。「手押しポンプを押してみよう」「蚊帳に入ってみよう」など、道具を用いたチャレンジコーナーもあります。
「食べる」のエリアでかまどの上にあるのは、羽釜(はがま)やせいろなど。水道が無いので、水は井戸から汲んで水瓶に入れて置きます。食事はそれぞれが自分のお膳で。汁椀やご飯茶碗を置く場所が決まっている日本の食事作法は、この時代に生まれました。
「食べる」のエリア肥桶、蚊帳、火鉢、機織り…。80年前の暮らしは親世代にとっても経験がなく、家事に関わる負担の多さには驚きます。ただ、大人もこどももそれぞれが役割をもつ暮らしは、家庭の原点を垣間見るようにも思えました。
企画展の関連展示として、2階の総合展示(常設展)も案内されています。ここには昭和37年当時の常盤平団地が再現されており、白黒テレビや電気釜など、今から50年ぐらい前の暮らしを見ることができます。
昭和37年の常盤平団地最後に、
松戸市立博物館についてもご紹介しましょう。総合公園「21世紀の森と広場」の中にある同館は、1993年の開館。2階の総合展示室では旧石器時代から現代までの松戸の移り変わりを紹介しており、野外には3棟の縄文時代の竪穴住居(復元)もあります。
総合展示室松戸市立博物館ならではの楽しい試みが「小学生学芸員」。5月~翌年2月まで、11回にわたって米づくりを体験し、その成果を展示として発表するものです(対象は小学4~6年生)。
松戸市立博物館の公式サイトで4月から募集が始まる予定です。(取材:2013年2月19日)