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    レポート
    Drinking Glass ― 酒器のある情景
    サントリー美術館 | 東京都
    清々しい会場に、表情豊かなガラス酒器
    古来より(現在でも)人々に喜びを与えてくれる飲み物である「酒」と、4,000年以上前から作られている「ガラス」。酒を嗜むための数々のガラス器を、置かれた情景に着目して紹介する企画展です。
    《葡萄文栓付瓶》エミール・ガレ、フランス 1900年 サントリー美術館蔵(右)
    《獅子頭形杯》アケメネス朝ペルシャ 前5-4世紀 MIHO MUSEUM蔵(右)
    《脚付杯》西アジア 前4世紀 MIHO MUSEUM蔵(左)
    《カットガラス碗》ササン朝ペルシャ 3-7世紀 サントリー美術館蔵(辻清明コレクション)(左手前)
    《鳥動物文ティアードゴブレット》ボヘミア 18世紀 サントリー美術館蔵(左)
    《狩猟文リキュールグラスセット》スペイン 19世紀 石川県立美術館蔵(右手前)
    《スプラッシュガラス台付杯》東地中海沿岸地域 1世紀 岡山市立オリエント美術館蔵、《脚付杯》東地中海沿岸地域あるいはイタリア 4-6世紀 MIHO MUSEUM蔵(左から)
    第2展示室「酒器のいま」
    会場
    ガラスで器が作られるようになったのは、紀元前16世紀後半のメソポタミアから。当初は不透明の素材だったガラスは紀元前8世紀を過ぎると透明に変わり、中が透けることで色を愉しめるガラスの器は、酒が登場する場面で使われるようになりました。

    展覧会では紀元前から現代の作家まで、約180件のガラス酒器を紹介しています。


    会場入口から

    青いライティングで清々しいイメージの会場。導入の4階では「捧ぐ」「語らう」「誓う」「促す」の各シーンに関連する酒器が並びます。

    儀式の際に用いられたと思われる動物の形が表現された酒杯、ワインを水で割るための大きな混酒器(古代ギリシャでは長時間語らいながら飲むため、ワインは水で割るのが一般的でした)、婚礼などで用いられた二段重ねの蓋付杯など、人々の営みと密接に繋がりながら、ガラス酒器は使われてきました。


    展示室(4階)

    サントリー美術館は、4階から3階に下りる動線です。吹き抜け部では「酒器のいま」と題し、過去に生まれたガラス技術を研究・発展させながら美しい酒器を作っている6名の日本人作家の作品も展示されています。


    「酒器のいま」

    3階は「祝い、集い、もてなし、愉しむ」。祝い事の席といえば、やはり酒。そこにはガラス酒器も欠かせません。

    宴会の余興で使われたジョークグラス(トリックグラス)、鮮やかな模様の薩摩切子、そしてアール・ヌーヴォーを代表するエミール・ガレの作品など、強い個性が現れたデザインは来場者を愉しませてくれます。


    展示室(3階)

    サントリー美術館の恒例ともいえる、美しいガラス器の展覧会。トークライブの他、江戸切子のワークショップなど関連行事も多彩です。お見逃しなく。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年9月10日 ]

    TOKYO美術館2012-2013


    エイ出版社
    ¥ 998

    料金一般当日:1,300円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2013年9月11日(水)~11月10日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00
    休館日
    火曜日休館
    住所
    東京都港区赤坂9-7-4  東京ミッドタウン ガレリア3F
    電話 03-3479-8600
    公式サイト http://suntory.jp/SMA/
    料金
    一般 1,300円/大学・高校生 1,000円
    ※中学生以下無料
    ※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
    展覧会詳細 Drinking Glass ― 酒器のある情景 詳細情報
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