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レポート
光の賛歌 印象派展
東京富士美術館 | 東京都
魅力的に踊る少女は、ユトリロの母
近代化によって、市民の生活も変わった19世紀後半。「余暇」が生まれたことで市民の関心は川沿いの行楽地や海辺のリゾートに広がり、印象派の画家たちも水辺を舞台にした市民生活を数多く描きました。
第1会場入口
(右)エドゥアール・マネ《散歩》
(左から)アルフレッド・シスレー《ロワン川の岸辺》/アルフレッド・シスレー《モレの洪水》
(左)アルフレッド・シスレー《モレの橋》
(右)カミーユ・ピサロ《小川で足を洗う女》
円形と矩形のモネ《睡蓮》が並ぶ
(右)クロード・モネ《アヴァル門から見た針岩、エトルタ》
クロード・モネ《プールヴィルの断崖》/ギュスターヴ・カイユボット《トゥルーヴィルのレガッタ》
本展は水の風景そのものや、水辺での市民の姿を描いた印象派の秀作、約80点を紹介する企画です。

まず第1会場では東京富士美術館の所蔵作品を紹介。序章「印象派の先駆者たち ─ 近代風景画の地下水脈」にはホイエン、ターナー、クールベなどによる水辺の風景が並びます。

東京富士美術館の看板娘ともいえるのが、マネの《散歩》。病気療養中のマネを見舞いに来た女性を、特有の素早い筆致で捉えました。


第1会場

渡り廊下を通った先の企画展示室が、第2会場です。

第1章「セーヌ河畔の憩い ─ パリ近郊の川辺を描く画家たち」は、シスレーが描いた水辺の風景からスタート。シスレーは生涯にわたってほぼ風景画だけを描き続け、中でもセーヌ川やロワン川の景色を繰り返し描いています。


第2会場への入口から

続いて、展覧会のメインビジュアルになっているルノワールの傑作《ブージヴァルのダンス》が登場。ボストン美術館から来日しました。

パリ近郊の水辺の行楽地ブージヴァルを舞台に、踊りながら顔を近づけて迫る青年と、避けるように目を背ける少女。二人の間の微妙な空気感がこちらにも響いてくるようです。

とても魅力的な少女のモデルは、マリー=クレマンティーヌ。描かれた当時は17歳でしたが、同じ年に私生児を出産しています。その子が後の画家、モーリス・ユトリロ。父親は不明ですが、ルノワールだという説もあります。


ピエール=オーギュスト・ルノワール《ブージヴァルのダンス》

さらに進むと、モネの作品が次々に展示されています。中でも円形と矩形の《睡蓮》は隣で紹介されています。

ともにモネが1909年5月にパリで開いた個展「睡蓮、水の風景の連作」に出展されたもの。48点の睡蓮が並んだこの個展は大好評で、会期を延長して行われました。円形の作品はサン=テティエンヌ近代美術館、矩形は東京富士美術館による所蔵です。


円形と矩形のクロード・モネ《睡蓮》が並ぶ

最後は第2章「ノルマンディ海岸の陽光 ─ 海辺を描く画家たち」。海辺を舞台にしたモネ、ブーダン、ピサロ、そしてカイユボットなどの作品が並びます。


第2章「ノルマンディ海岸の陽光 ─ 海辺を描く画家たち」

日本国内をはじめアメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、スイス、カナダ、オーストラリアの世界8か国40館から作品が集まった豪華な展覧会で、見応えたっぷり。東京富士美術館は常設展も超強力なラインナップのため、時間を長めに取ってお出かけください。

なお本展は東京富士美術館の後に福岡市博物館(2014年1月15日~3月2日)、京都文化博物館(2014年3月11日~5月11日)に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年10月29日 ]

知識ゼロからの印象派絵画入門

大橋 巨泉 (著)

幻冬舎
¥ 1,365

料金一般当日:1,200円、前売り:1,000円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場
会期
2013年10月22日(火)~2014年1月5日(日)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(受付は30分前まで)
休館日
休館日:月曜休館(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)年末年始(12月27日〜1月1日)
住所
東京都八王子市谷野町492-1
電話 042-691-4511
公式サイト http://www.eventsankei.jp/inshoha/
料金
入場料金:大人1200(1000)円、大高生800(700)円、中小生400(300)円
※新館常設展示室もご覧になれます
※土曜日は中小生無料
※( )内は前売券、各種割引料金[20名以上の団体・65歳以上の方・当館メルマガ登録者ほか]
※障がい者及び付添者1名は半額[証明書等をご提示下さい]
※誕生日当日にご来館された方はご本人のみ無料
展覧会詳細 光の賛歌 印象派展 詳細情報
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