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特別展 超絶技巧!明治工芸の粋

■世界が驚いた、100年前の精密細工
【会期終了】 明治期の日本で、海外輸出用に作られた工芸品の数々。精緻な細工は西欧諸国を唸らせ、万国博覧会などを通じて多くの作品が海を渡っていきました。近年、海外から買い戻された選りすぐりの品々が、三井記念美術館で紹介されています。
村田理如(まさゆき)氏が収集した京都・清水三年坂美術館の所蔵品を紹介する本展。村田氏は明治時代を中心とした工芸品をここ30年ほどで蒐集しており、海外に流出していた数々の工芸品が、100年以上の時を超えて、ようやく日本に戻ってきました。

三井記念美術館に入ると、冒頭から驚きの工芸品がずらりと並びます。色鮮やかな七宝、複雑に動かせる自在、煌びやかな漆工など、いずれも実に繊細な装飾が施されています。


展示室1

流れるような毛並が美しいアイボリーの彫刻《羊》は、象牙を掘った牙彫(げちょう)。作者は東京美術学校の教授になった石川光明です。

置物のように見える《古瓦鳩香炉》は香炉で、鳩の部分が蓋になっています。鳩に睨まれて、古瓦の窪みに身を潜める蜘蛛。正阿弥勝義による物語性豊かな作品です。

《雀蝶尽し茶碗》は、薩摩焼。万博で高く評価された薩摩は、輸出工芸品の花形でした。茶碗は「雀蝶尽し」ですが、外側の雀はともかく、内部の蝶に至ってはズーム撮影でも分かりにくいかもしれません。


順に、石川光明《羊》、正阿弥勝義《古瓦鳩香炉》、精巧山《雀蝶尽し茶碗》

展覧会を監修した山下裕二先生が「まるで八百屋のよう」とユーモラスに紹介したのが、安藤緑山(あんどうろくざん)による牙彫です。

白い材質をそのまま生かす事が多い牙彫ですが、緑山はリアルな色彩にこだわりました。あまりに似ているので、なぜこれが美術館で展示されているのか混乱しそうです。

天皇家や宮家に伝わった緑山の牙彫ですが、緑山自身は生没年もはっきりしない謎の多い人物。着色法も明かさず、後継者がいなかったため、この技法は緑山一代限りのものとなりました。


「まるで八百屋」という、安藤緑山の牙彫

京で栄えた刺繍も、明治維新の後には衣服でなく、室内装飾に活路を見出そうとしました。絵画の模様を刺繍で描いた「刺繍絵画」は、この流れから生まれたものです。

単に糸で色を表現するだけでなく、縫う方向に合わせて糸の撚りを変えたり、細かく縫い重ねて色に深みをあたえたりと、ここにも細かなテクニックが。立体的な糸の効果によって、見る角度によって光の反射が異なります。

刺繍絵画は紫外線や虫食いの影響を受けやすい事もあり、国内に残る作品はごく僅か。なかなか目にすることができない逸品です(刺繍絵画は会期中に展示替えがあります)。


刺繍絵画は、視線をずらしてご覧下さい

ご紹介した作品以外にも、会場には刀装具や印籠、金工、漆工なども含めて計160件(前後期あわせて)。

細かな細工が施されている工芸品には、拡大鏡が備えられているものもありますが、お持ちの方は、ぜひ単眼鏡(ギャラリースコープ)の使用をお勧めいたします。


展示室7

東京展は夏休み前まで(7月13日まで)と比較的会期は長めですが、多くのメディアでも話題になっている展覧会ですので、会期末は混雑必至です。お早目にお越しください。

東京展の後は静岡(佐野美術館:10月4日~12月23日)、山口(山口県立美術館:2015年2月21日~4月12日)に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年4月24日 ]


 
会場三井記念美術館
開催期間2014年4月19日(土)~2014年7月13日(日)
所在地 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
TEL : 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
HP : http://www.mitsui-museum.jp/
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