IM
レポート
ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美
Bunkamura ザ・ミュージアム | 東京都
芸術を支えた、銀行の富
金融と商業が発展し、莫大な富が集中した15世紀のフィレンツェ。その財力は芸術家を支援し、ルネサンスが推し進められていきました。現在のメセナに繋がるその活動を、ボッティチェリ作品17点(工房作など含む)を中心に展観します。
(左から)フランドルの工房《インク壷付きの燭台》 / スペイン製?《貴重品入れ》 / フランスの工房《小箱》
(左から)マリヌス・ファン・レイメルスヴァーレに基づく模写《高利貸し》 / マリヌス・ファン・レイメルスヴァーレに基づく模写《両替商と妻》
(左から)フランチェスコ・ボッティチーニ《大天使ラファエルとトビアス》 / サンドロ・ボッティチェリ《受胎告知》
(左から)サンドロ・ボッティチェリ《聖母子と二人の天使、洗礼者聖ヨハネ》 / サンドロ・ボッティチェリ《聖母子と二人の天使》 / サンドロ・ボッティチェリ(帰属)《聖母子と二人の天使》 / サンドロ・ボッティチェリ《開廊の聖母》
サンドロ・ボッティチェリ《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》
(左から)サン・ミニアートの画家(ロレンツォ・ディ・ジョヴァンニ?)《聖母子》 / 偽ピエル・フランチェスコ・フィオレンティーノ《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》
(左から)ジョヴァンニ・デッラ・ロッビア《パッツィ家の標章》 / ブリオーニ工房《メディチ家の標章》 / トスカーナの彫刻家《若い貴婦人》
会場入口から
サブタイトルに「フィレンツェの富と美」とあるように、「美」を支えた「富」にも焦点をあてた展覧会。冒頭に紹介されているのは富の象徴、フィオリーノ金貨です。

1252年から鋳造されたフィオリーノ金貨。フィレンツェの百合の紋章を刻印したこの金貨は中世から国際通貨となり、フィレンツェをヨーロッパ経済の中心に押し上げました。


世界的信用を獲得したフィオリーノ金貨は、模造品も広まりました

フィレンツェで銀行家として台頭したのがメディチ家です。ヨーロッパ各地に銀行の支店を開いて交易は活性化。豊富な資金力を背景に、才能あふれる芸術家を支援しました。

メディチ家から絶大な信頼を得ていたのが、サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510)。銀行家から次々に注文を受け、彼らを満足させる華麗な作品を生み出していきます。


第2章「旅と交易 拡大する世界」、第3章「富めるフィレンツェ」

展覧会で話題を呼んでいるのが、巨大なフレスコ画《受胎告知》。243cm×555cmという巨大壁画は、ボッティチェリが1481年に描いたものです。

画面左側は、中庭に舞い降りようとする天使ガブリエル。右側には、神の意思を受け入れようと恭順の身振りを示すマリア。豪華な室内の意匠はフィレンツェの邸宅風です。柱の意匠や床のパターンで、奥への遠近感を見事に表現しています。


サンドロ・ボッティチェリ《受胎告知》

この展示室には、他にも見応えがある作品が並びます。

トンド(円形画)の《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》は、イタリア政府の「門外不出リスト」に登録されている傑作。祈りをささげるマリアとふっくらとしたイエスは肌の表現が印象的で、円型の画面を活かした人物の配置も巧みです(こちらは5月6日までの期間限定出品です)。

黒い背景の《ヴィ―ナス》は、ボッティチェリの代表作《ヴィーナスの誕生》から女神のみを取り出した作品。女性の身体を強調したこれらの作品は、フィレンツェ繁栄の頂点ともいえます。


トンド(円形画)の《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》は、期間限定出品

15世紀末になると、メディチ家に代わって修道士ジロラモ・サヴォナローラが台頭。教会の堕落を批判し、市民に贅沢品を燃やすよう“虚栄の焼却”への参加を呼びかけ、多くの芸術家がその作品を燃やしました。

ボッティチェリもサヴォナローラの考えに魅了され、作品は変容。人物表現は硬くなり、官能性も消えてしまいます。人気も急落したボッティチェリ、最期は貧窮し、負債を抱えたまま死去しました。


第5章「銀行家と芸術家」、第6章「メディチ家の凋落とボッティチェリの変容」

これほどの規模でボッティチェリの作品を見る事ができるのは、まさに奇跡的。東京だけでの開催が、もったいなく思えます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年3月20日 ]

ボッティチェッリ絵画集(高画質版)[Kindle版]ボッティチェッリ絵画集(高画質版)[Kindle版]

ボッティチェッリ (著), 上妻純一郎 (著)

アートクラシックス
¥ 200

料金一般当日:1,500円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon


■ボッティチェリとルネサンス に関するツイート


 
会場
会期
2015年3月21日(土・祝)~6月28日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00(毎週金・土曜日は21:00迄) ※入館は各閉館の30分前まで
休館日
4/13(月)、4/20(月)のみ休館
住所
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F
電話 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
03-5777-8600 (ハローダイヤル)
公式サイト http://botticelli2015.jp/
料金
一般 1,500(1,300)円/大学・高校生 1,000(800)円/中学・小学生 700(500)円
※()内は20名様以上の団体料金および前売り料金
※学生券をお求めの場合は、学生証のご提示をお願いいたします。(小学生は除く)
展覧会詳細 ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美 詳細情報
おすすめレポート
ニュース
ご招待券プレゼント
学芸員募集
展覧会ランキング
おすすめコンテンツ