1987年に世界遺産に登録された水の都・ヴェネツィア。現在でもサン・マルコ広場やドゥカーレ宮殿など、街のいたるところでかつての栄光を感じることができます。ヴェネツィア共和国は1797年にナポレオンの侵攻にあうまで、歴史上最も長く続いた共和国としても知られています。
会場展覧会の冒頭は、聖マルコのライオン像から。この聖書を持った有翼のライオンはヴェネツィア共和国のもっとも主要なシンボルで、絵画や彫刻などでよく表現されています。
出品されたのは絵画、彫刻などの美術作品から、天球儀・望遠鏡などの観測機器、ガラス器や陶器、珍しいところはサイコロゲームのボードまで、多種多彩。洗練されたヴェネツィアンガラスや、パラッツォ(邸館)でくりひろげられる晩餐の絵からは、華麗な貴族の生活を垣間見ることができるようです。
会場展覧会の公式テーマ曲「ヴェネツィアの風に吹かれて」は、ピアニストの辻井伸行さんが作曲しました。辻井さんは実際にヴェネツィアを訪問し、ゴンドラに乗って海風を感じ、現地で作曲したそうです。プレス内覧会でも美しい演奏を披露してくれました。
日本初公開作品を含む、前例のない規模でヴェネツィアの栄光を振り返る本展。
江戸東京博物館の後は
名古屋市博物館、
宮城県美術館、
愛媛県美術館、
京都文化博物館、
広島県立美術館と、2012年11月まで巡回されます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年9月22日 ]