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月岡芳年 妖怪百物語

■芳年大特集、第一弾
【会期終了】 幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、月岡芳年(1839-92)。幅広いジャンルを手掛けましたが、生涯に渡って力を注いだのが妖怪画でした。画業の初期に描いた「和漢百物語」と、最晩年に手がけた「新形三十六怪撰」を全点公開する展覧会が、太田記念美術館で開催中です。
歌川国芳の門下生である月岡芳年。師匠の国芳も妖怪画を得意としていましたが、芳年はそれ以上。歴史、伝説、小説、芝居などの怪奇的な物語を主題に、数多くの妖怪画を手掛けました。

展覧会は「和漢百物語」と「新形三十六怪撰」を中心に、芳年が手掛けた妖怪画の世界を総覧する企画。まずは初期の妖怪画からです。

数え12歳で国芳のもとへ入門した芳年。本格的にデビューした後も、当初は国芳の影響が顕著です。黒い背景から浮き出る妖怪の描写は、師の作品にも見られます。


第1章「初期の妖怪画」

第2章は「和漢百物語」。芳年が数え27歳の時に出版されました。芳年による妖怪を題材とした最初の揃物で、全26図。「和漢」とあるように、日本と中国の怪談がテーマです。

時代は幕末とはいえ、まだ江戸時代(1865年/慶応元年)。若き日の芳年ならではの伸び伸びとした表現が見ものですが、後年に見られるような「芳年ならでは」という作風は、まだそれほど強く無いように思われます。


第2章「和漢百物語」

第3章は「円熟期の妖怪画」。明治になると浮世絵の世界も変革を余儀なくされますが、芳年は錦絵新聞、戦争画、美人画、歴史画など多彩な分野で活躍を続けます。

この時期の作品として、よく知られているのが《奥州安達がはらひとつ家の図》。半裸の妊婦を逆さ吊りにして包丁を研ぐ老婆(妊婦は老婆の娘だったというオチもあります)というショッキングな作品は、しばしば芳年自身のイメージと重ねられますが、実際の芳年は賑やかな事が大好き。涙もろくて弟子の面倒見も良い、ごく普通の江戸っ子でした。


第3章「円熟期の妖怪画」

第4章が「新形三十六怪撰」。1889~92(明治22~25)年にかけて出版され、幾つかの図は芳年が没した後に刊行されたという、文字通り最晩年の作品です。

後年の芳年は、線(特に衣服)に極端なメリハリが付き、独特のカクカクした描写に。一瞬を切り取った人物の表現は実は見事で、表情が見えにくいポーズからも感情が伝わってくるようです。


第4章「新形三十六怪撰」

実は芳年自身がたびたび幽霊を見たという逸話もあり、もともと並外れたデッサン力とデザイン性を兼ね備えた芳年が、自分で見たものを描いているわけですから、出来が悪いわけはありません。

本展に続いて、9月1日からは「月岡芳年 月百姿」。2カ月続きの芳年大特集、芳年好きにとっては、たまらないシーズンが始まりました。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年7月28日 ]

月岡芳年 妖怪百物語月岡芳年 妖怪百物語

日野原 健司 (著), 渡邉晃 (著), 太田記念美術館 (監修)

青幻舎
¥ 2,484


■月岡芳年 妖怪百物語 に関するツイート


 
会場太田記念美術館
開催期間2017年7月29日(土)~8月27日(日)
所在地 東京都渋谷区神宮前1-10-10
TEL : 03-5777-8600
HP : http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
展覧会詳細へ 月岡芳年 妖怪百物語 詳細情報
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