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    レポート
    和歌を愛でる
    根津美術館 | 東京都
    新春の根津美術館は和歌で開幕
    2014年の根津美術館は「和歌」で開幕。新春に相応しい、雅な名品がそろいました。
    《扇面歌意画巻》
    (右手前)重要文化財《熊野類懐紙》飛鳥井雅経筆
    重要文化財《古今和歌集》藤原為氏筆
    (右手前)《柿本人麻呂像》
    重要文化財《丸壷茶入 銘 相坂》
    《嵯峨山蒔絵硯箱》
    《吉野龍田図屏風》
    《吉野龍田図屏風》(部分) 吉野桜、龍田川ともに古来より和歌に詠まれる名所ですが、画中にも和歌が書かれた短冊があります
    展示室2「小袖の彩り」 左手前は《白地石畳将棋文様小袖》
    古くから親しまれてきた、日本ならではの和歌。優れた和歌は文字として表されるだけでなく、絵画や工芸も含めてさまざまに表現され、日本美術とも密接に関わってきました。

    本展では根津美術館が所蔵する古筆、屏風絵、蒔絵の硯箱、茶道具などのなかから、和歌に関係する名品を紹介。重要文化財9件を含め、30件余りを展観します。


    会場

    展覧会の目玉は《扇面歌意画巻》。和歌100首と各歌を連想させる扇面画を100図描いた江戸時代の絵巻で、修復後初のお披露目となりました。

    和歌の意味内容を絵画で表現した「扇の草子(そうし)」と称される作品。かなり長い絵巻ですが、本展は和歌がテーマということもあり、一挙に100図すべてを公開。長い展示ケースが華やかなムードに包まれます。


    《扇面歌意画巻》

    会場には3点の工芸品も展示。もちろん和歌に関係するもので、意匠の中に仮名文字や漢字を隠し、全体を通してみることで特定の和歌を読み取るという趣向です。

    例えば《花白河蒔絵硯箱》は、桜の下に佇む公達の意匠と、絵の中に隠されている「花・白・河」の文字。新古今和歌集の「なれなれてみしはなこりの春そとも なとしら河の花の下かけ」が読み取れます。

    他の2点も文字が隠されていますので、ぜひ会場で探してみてください。


    最後の1点が《花白河蒔絵硯箱》

    本展は展示室1のみで開催。同時期に、展示室2では江戸時代から明治期にかけての小袖(袖口が小さい今日の着物の原形)を展観する「小袖の彩り」、展示室5では100種類余の椿を色鮮やかに描いた寛永年間の絵巻「百椿図」、展示室6では吉祥や干支をテーマにした道具を取り合わせた「初釜 来福を願う」が開催中です。


    展示室2「小袖の彩り」と、展示室5「百椿図」

    なお、根津美術館では恒例となった「はじめての茶席」を今年も実施します。日頃、お茶に馴染みのない方でも気軽に参加できる茶席を、庭園内の茶室「披錦斎」にしつらえたお茶席で3月20日(木)に開催。美術館で申し込みを受け付けていますので、興味のある方は根津美術館公式サイトでご確認ください。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年1月8日 ]

    うた恋い。和歌撰 恋いのうた。

    渡部 泰明 (著), 杉田 圭 (イラスト)

    メディアファクトリー
    ¥ 1,365

     
    会場
    会期
    2014年1月9日(木)~2月16日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
    休館日
    月曜日休館 ただし1月13日(月・祝)は開館し、翌14日(火)休館
    住所
    東京都港区南青山6-5-1
    電話 03-3400-2536
    公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/
    料金
    一般 1000円/学生[高校生以上]800円
    ※中学生以下は無料
    展覧会詳細 和歌を愛でる 詳細情報
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