DIC川村記念美術館「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」
撮影・文 [エリアレポーター]
白川瑞穂 / 2019年3月23日
コラージュ作品で知られるアメリカのアーティスト、ジョゼフ・コーネルの回顧展が千葉県のDIC川村記念美術館で開催されています。
シュルレアリスムの代表的なアーティスト、マックス・エルンストの作品に触発されて制作を始めた初期のコラージュ作品から、「箱」の中に小物を収めた箱作品、映像作品まで。加えて、編集・デザインに関わった印刷物や日記、手紙などの周辺資料も展示。作家の世界観を浮き彫りにする展覧会です。
ダンスやバレエが好きだったコーネルは、制作のかたわら、ダンスの専門誌に私物の資料を提供し、表紙のデザインも担当しました。
多くのバレリーナとも交流があり、ロシア出身のバレリーナ、トゥマノヴァから贈られた衣装や資料をもとに制作した作品も。
また、大ファンであった女優のローレン・バコールにちなんだ作品や、好きな映画女優の登場シーンを編集して再構成した映像作品もあるなど、自分の「偏愛」を形ある作品に表現しているコーネル。
しかし、自分が作りたいもの、見ていたいものを作るある種の潔さが感じられ、決して不快感はありません。
むしろ、純粋な創作意欲をひしひしと感じるほど。
シュルレアリスムとの類似性を語られることがあっても、何らかの型にはまっていたわけではなく、様々な表現方法でひたすら自分を語っているように思いました。
特別な芸術教育を受けて芸術家を目指していた訳ではない彼が、まるでなにか不思議な力に導かれ、表現せずにはいられなかった純粋な思いの強さが、彼の作品には満ちあふれているのです。
作るものに意味を持たせるより、作ることそのものに意義を見出していたコーネルにとっては、作ること=生きることだったのかもしれません。
これまで、作品に触れる機会が少なかったアーティストなので、初めて知ったという方も多いことでしょう。
実験映画の先駆けとして既に評価されている映像作品以外の、コラージュや箱作品など唯一無二の世界観を持つ彼の芸術活動は、今後ますます注目を集めるはず。
ぜひ、いち早く彼の世界を体感なさってみてはいかがでしょうか。
エリアレポーターのご紹介
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白川瑞穂
関西在住の会社員です。学生の頃から美術鑑賞が趣味で、関西を中心に、色々なジャンルのミュージアムに出かけています。観た展示を一般人目線でお伝えしていきます。
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