展覧会概要
広くなった南門(正門)
岐阜県美術館が1年間の改修工事を終え、リニューアルオープンしました。
記念の展覧会は、「ETERNAL IDOL」、「セカンド・フラッシュ」、「イメージする力、生きる力 ある日の『美術と教育』の出来事」の3本立てです。しかも、年内は入館料が無料です。
基本理念は「美とふれあい、美と会話し、美を楽しむ」です。
これまで以上に、岐阜県美術館を身近に感じられそうです。リニューアルオープンの初日は、オープニングセレモニーの他、日比野克彦館長や出展作家のトークなどもあり、終日にぎわっていました。
オープニングセレモニーであいさつする日比野館長
リニューアルオープン特別企画1 「ETERNAL IDOL」
展示室入口
今回の3つの企画展では、それぞれの展示が「過去」、「現在」、「未来」を見せるように構成されています。
「ETERNAL IDOL」で展示されている作品は1800年代から1950年頃までのものが多いので、おそらくここが「過去」の展示だろうと思います。
けれど、少数ですが、2000年代の作品も含まれており、不思議に思いました。
キュレータートークで聞いたところ、単純に古い年代の作品を選んだわけではなく、新旧を混在させることで、観客に「過去から現在」、「現在から過去」への複数の視線を意識してもらう狙いがあるそうです。
会場の観客にリニューアルの感想を聞いたところ、「見慣れた作品をまた見ることができて安心した」という声がありました。
確かに、オディロン・ルドンや山本芳翠など、久しぶりに見て、懐かしく感じる作品も多く展示されています。
リニューアルオープン特別企画2 「セカンド・フラッシュ」
展示室入口
リニューアル工事の期間中、岐阜県美術館では美術館以外の場所でアートプロジェクトやアーティストインレジデンスを行いました。
「セカンド・フラッシュ」では、その成果を見ることができます。
出展しているのは「ナデガタインスタントパーティー」、「平野真美」、「松本和子」、「宮田篤+笹萌恵」の4組の作品です。
この展示は、おそらく「現在」だと思います。
アーティストトーク(平野真美)
中でも、平野真美による《蘇生するユニコーン》と《手のためのタピスリー》はとても気になる作品です。
不思議な生命感があり、思わず触って、呼吸を確かめたくなります。(タッチは禁止)
瀕死のユニコーンを生命維持装置につないで見せることで、空想の生物の存在と、絶滅の危機というフィクションに立ち会っているようです。
リニューアルオープン特別企画3 「イメージする力、生きる力」
展示室入口
主に、小中高校の児童・生徒の作品が展示されています。
作品数は200点以上あり、展示室の壁一面が、作品で埋まっています。
作品を見ながら、これまでの美術教育とこれからの美術教育を考えてもらう狙いもあるそうです。
この展示は「未来」だと思います。
日比野館長によるギャラリートーク
展示室入口で《店番をする犬》から作品リストをもらう
閑話休題
旧レストランはアートコミュニケーターズルームに変身
現在、岐阜県美術館ではアートコミュニケーター(愛称:~ながラー)を募集しています。
リニューアルした美術館と地域の人々、作品、文化をつなぎ、新しい価値や関係を模索する試みです。来春からの活躍が楽しみです。
エリアレポーターのご紹介
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ひろ.すぎやま
近現代美術、演劇、映画をよく見ます。
作品を見る時は、先入観を避けるため、解説などは後から読むようにしています。
折々に、東海エリアの展覧会をレポートしますので、出かけていただく契機になれば幸いです。
名古屋市美術館協力会会員、あいちトリエンナーレボランティア。
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