大阪市立美術館「フランス絵画の精華」展へ。
大阪市立美術館玄関
各地から、桜の便りが届いても、鳥たちが、美しくさえずっても、今年の春ほど、心が躍らなかった春はありません。
美術展も、コンサートも、あらゆるものが中止や延期になりました。当たり前だと思っていたことが当たり前ではない春でした。
そんな中、待ちに待った美術展が開幕しました。
コロナによる緊急事態宣言により、開催が延期!日程を変更して、5/26から開催!
今回、行ってきたのは、大阪市立美術館で開催中の「フランス絵画の精華」展です。
この展覧会も、本来、4/11からの開催予定でしたが、コロナによる緊急事態宣言を受けて、延期になりました。きっと関係者の方々は、中止も考えられたことでしょう。「よくぞ、開催できた!」という思いでいっぱいのことでしょう。
見る私たちも、その思いは同じです。8/16まで、ことなく、展覧会を楽しめることを心から願わずにはおれません。
17世紀からのフランス絵画の300年が一堂に!
エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン《ポリニャック公爵夫人、ガブリエル・ヨランド・クロード・マルチーヌ・ド・ポラストロン》1782年、ヴェルサイユ宮殿美術館
それまでは、イタリアやオランダなどの後塵を拝していたフランス絵画が、17世紀以降、大きく花開いていく流れを、臨場感をもって俯瞰することができます。
第Ⅱ章では、ポスターに採用された「ポリニャック公爵夫人」がひときわ輝いています。歴史や神話を描いてきた絵画が、そこにいるような生身の人間を描き始めました。白い歯をのぞかせる少しだけ開いた口は、今にも話しかけそうです。
ニコラ=ベルナール・レピシエ《ファンションの目覚め》、サン=トメール、サンドラン美術館
しどけない姿の、散らかった部屋で朝の準備をする女性。
乱雑に脱ぎ捨てられた衣服やちびた箒などに、親近感を覚えます。
絵画が、私たちの暮らしに近づいてきたのでしょうか?
見るものを心地よくする展示方法にも注目してほしい!
第Ⅱ章 展示室
本来なら、クーリエ(「美術館などの美術品輸送業務に携わる学芸員」が来て、展示方法や展示の順番などを指図するそうですが、今回の展覧会では、全世界のコロナの影響で彼らが来ることができなかったので、大阪市立美術館の意図も入れて、展示をされたようです。
例えば、上記の3の並ぶ順番は、出典目録のそれとは異なりますが、それぞれの顔が内側を向くように展示されています。順番通りだと、外側を向いて、まるでそっぽを向いているように見えるので、見る人の気持ちがざわざわするとのこと。
そんな工夫があちこちにあるそうなので、見つけてくださいね。
このような状況下で美術を楽しむとは?
大阪市立美術館がある天王寺公園からあべのハルカスをのぞむ
大阪市立美術館には、天王寺駅から、天王寺公園の中を通っていきます。芝生広場では、人々が三々五々楽しんでいました。徐々に、日常が戻ってきています。
アフターコロナ、ウイズコロナの時代に生きる私たちは、美術展に行くことで、日常を取り戻そうとしているのかもしれません。
展覧会 | フランス絵画の精華 |
会場 | 大阪市立美術館 |
開催期間 | 2020年5月26日(火)~8月16日(日) ※会期変更 |
休館日 | 月曜日(ただし8月10日は開館)および6月16日(火)、17日(水) |
開館時間 | 午前9時30分~17時まで(入館は16時30分まで) |
住所 | 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内 |
電話 | 06-4301-7285(大阪市総合コールセンター なにわコール) |
公式サイト | https://www.osaka-art-museum.jp/ |
料金 | 一般 1,400円・高大学生 900円 ※当面の間、団体での入館はお断りさせていただきます。 |
展覧会詳細へ | 「フランス絵画の精華」詳細情報 |
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