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    レポート
    第21回 秘蔵の名品アートコレクション展 美の宴
    ホテルオークラ東京 | 東京都
    豪華な会場と艶やかな絵画、最後のコラボレーション
    この時期のホテルオークラ東京では恒例となった「秘蔵の名品 アートコレクション展」、第21回を迎える今回は「美の宴」です。宴(うたげ)を主題にした絵画作品に焦点を当て、江戸期から近代の日本絵画を中心に展観します。
    (左から)宗達派《扇面流図》 / 竹内栖鳳《アレ夕立に》(髙島屋史料館)
    (左から)上村松園《舞仕度》 / 上村松園《紅葉可里図》 / 上村松園《花下舞踏之図》
    (左から)岡本神草《仮面を持てる女》 / 池田輝方《春秋図》
    (左から)岡田三郎助《道成寺》 / 片岡球子《宮廷の舞》 / 伊東深水《鏡獅子》 / 村上華岳《少婦舞踊図》
    (左から)富岡鉄斎《西園雅集図》 / 前田青邨《祝ひ日》 / 横山大観《海暾》
    (左から)東郷青児《コントラバスを弾く》 / 東郷青児《村の祭》
    (左から)竹内栖鳳《蹴合》 / 竹内栖鳳《富嶽》
    酒井抱一《四季花鳥図屏風》
    前田青邨《唐獅子》
    1994年から開催されている「秘蔵の名品 アートコレクション展」。これまでに51万人以上が来場、約1億7,200万円を社会貢献のために寄付しているチャリティーイベントです。

    今回のテーマは「宴」。普段は鑑賞する機会が少ない企業・団体・個人が所有する「宴」を描いた貴重な作品60件が、ホテルオークラ東京本館の「平安の間」にずらりと並びます。

    会場は三章構成、第1章は「奏でる」です。宴に欠かせない、美しい音色。笙(しょう)や篳篥(ひちりき)などの古楽器、お馴染みの琴や三味線、そして明治以降の絵画にはピアノやヴァイオリン、トランペットなどの西洋楽器も登場します。


    第1章「奏でる」

    第2章は「舞い踊る」。宴に踊りはつきもの。世界にはそれぞれの文化を代表する踊りがあります。

    本展では舞楽、能、歌舞伎、田楽踊りなど、日本の伝統的な舞踏を描いた作品を中心に紹介。小磯良平《バレリーナ》、マティス《ジャズ》など洋画の名品も紹介されていますので、あわせてお楽しみ下さい。


    第2章「舞い踊る」

    展覧会のメインビジュアルが《アレ夕立に》(髙島屋史料館)。扇で顔を隠した「顔を描かない美人画」は、京画壇の大家、竹内栖鳳が明治42(1909)年に文展に出品した作品です。

    これまで「秘蔵の名品 アートコレクション展」は別館地下2階のアスコットホールで開催され、「平安の間」での開催は2005年以来2回目。ホテルオークラ東京本館のなかで最も大きく豪華なこの場所での開催で、しかもテーマが「宴」という事で、白羽の矢が立ったのがこの作品でした。

    踊りのポーズをビシッと決めた、栖鳳渾身の大作。「この作品の出品なくして、本展はありえませんでした」(監修の熊澤弘氏)という、まさに展覧会を象徴する作品です。


    竹内栖鳳《アレ夕立に》(髙島屋史料館)

    第3章は「集う」。華やかな宴席に集った人々。人が集う場には装飾としての美術が生まれ、また人々を集めるために作られた美術も数多く存在します。

    ここでは、宴の空間を華やかに彩る豪華な金屏風などを紹介。宴に相応しく、縁起の良い画題を用いた作品も目にとまります。


    第3章「集う」

    「西欧の模倣ではなく日本独自のホテル」を目指し、1962年に開業したホテルオークラ東京本館。本年8月末で営業休止し、9月から別館のみ営業を継続するとともに、約3年半の建替え工事に入ります。伝統的な紋様から着想したという名建築を見られるのもあとわずかです。お見逃しなく。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年8月3日 ]

    竹内栖鳳 近代日本画の源流竹内栖鳳 近代日本画の源流

    広田 孝 (著)

    思文閣出版
     


    ■ホテルオークラ東京 美の宴 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2015年8月3日(月)~8月20日(木)
    会期終了
    開館時間
    展覧会によります。ホームページにてご確認下さい。
    休館日
    展覧会によります。ホームページにてご確認下さい。
    住所
    東京都港区虎ノ門2-10-4
    電話 03-3582-0111
    公式サイト http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/art2015/
    料金
    一般 1,300(1,000)円 /大学・高校生 1,000(900)円 /中学生以下 無料
    ※()内は20名以上の団体料金
    展覧会詳細 第21回 秘蔵の名品アートコレクション展 美の宴 詳細情報
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