開館以来、節目の折りに開催してきた名作展、名画展、秀作展、・・・(似ているようでちょっと違う)。5度目となる本展では、今、ここでの「名品」とは何かを探ります。
令和2(2020)年は、当館の前身である県立近代美術館が開館して50年目にあたります。
本展はこれを記念して開催するものです。
開館以来の50年。この間、日本全国のみならず世界規模で見ても、美術の概念や社会における美術に対する期待のあり方は大きく変わりました。その中で、新たに発見・発掘された名品、解釈がかわることで新たな魅力が付与された名品があり、一方、オーラの幾分かが減少することで評価の核心が見えにくくなった名品の存在があります。
また、全国各地で美術館・博物館建設が進み、それらの施設が地域とのかかわりを探る中で、地域ならではの価値が見出されて名品となった作品もあることでしょう。
本展は、そのような作品の評価の変遷や、受容のされ方、あるいは作者と作品への関心が遠のくさまにも注目しながら、名品とは何か、何であったのか、そして美術館および観覧者にとって、どのような可能性を持ちうるのかを探ろうとするものです。
扱う時代区分としては、当館が前身の近代美術館時代から収集や展覧会開催の対象としてきた近代を扱うこととし、各作品の開館当時の美術状況と評価の地平を探る意図から、下限を近代美術館開館の 1970 年前後に設定したいと思います。また、この期間の美術の流れが概観できる構成とし、あわせて県内の美術を考える上で重要な作品、当館収蔵品のうち、50年の歩みの中で評価が確立した名品なども紹介することとします。
※新型コロナウイルス感染防止のため、会期変更となりました。
※来館前には公式サイトを必ずご確認ください。