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鯨と海の科学館
以前のパンフレット。吊り下げて展示された骨格標本は、くじら館の目玉だった。
以前のパンフレット。吊り下げて展示された骨格標本は、くじら館の目玉だった。

ようやく辿り付いた館は、ガレキに埋もれていた。(撮影:2011年3月19日)
ようやく辿り付いた館は、ガレキに埋もれていた。(撮影:2011年3月19日)

骨格標本にも漂着物が付着していたが、奇跡的にダメージは少なかった。(撮影:2011年4月7日)
骨格標本にも漂着物が付着していたが、奇跡的にダメージは少なかった。(撮影:2011年4月7日)

現在の骨格標本。仮設の壁を立てて室内を密封し、空調で管理している。(撮影:2012年11月27日)
現在の骨格標本。仮設の壁を立てて室内を密封し、空調で管理している。(撮影:2012年11月27日)


骨格標本の奇跡
湊館長が館の状況を確認できたのは、震災から9日目。ガレキの上を歩いて辿り着いた館の周辺は、押し流された樹木が散乱していた。ガレキは館の中にも堆積し、中に入るのを拒まれているようだったと語る。

一番気になっていたのは、もちろんマッコウクジラの骨格標本。標本はミンククジラの骨格とともに、吹き抜け部分に吊られて展示されていた。

大きな破損や、最悪の場合は流出まで覚悟していたというが、高い場所に吊られていたのが幸いし、浸水は骨の下から三分の一まで。骨の配置にわずかなズレが見られたほかは、何かがぶつかった跡もなく、ほぼ無傷だった。展示室には大きなガレキも入っていない。館の惨状と比べると、奇跡的ともいえる。

「復興のシンボル」を守れ
震災で大きなダメージを受けていた町にとっても、骨格標本の無事は何よりの朗報だった。震災翌月には、早くもマッコウクジラ骨格標本を「町の復興のシンボル」とすることが決定。保存に向けた作業が始まった。

破損は無かったとはいえ、長時間海水につかっていた骨格標本。前例が無い事態のため、骨格標本の製作者である東京海洋大学の加藤教授の指導を受けながら作業は進められた。クジラは骨には油が多く、標本にする際に3年も砂地に埋めて油を抜いていたが、わずかに残っていた油からカビが発生。巨大な標本は地上に降ろすのも難しく、骨の近くまで足場を組み、入念な清掃作業が行われた。

壁面のガラスが割れ、外気が直接入ってしまうため、空調の管理も問題となった。以前はつながっていた展示室の間に仮設の壁を立て、骨格標本の展示室だけを封鎖。封鎖した部屋にエアコンを設置することで、ようやく適切な環境が保たれることとなった。

未曾有の災害を乗り越え、以前と変わらない姿を見せてくれるマッコウクジラの巨躯。傷ついた町民にとっても、心の支えになってくれることだろう。館の全面再開に先だち、年内にも町民限定で骨格標本を見てもらう予定となっている。





             

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