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岩手県立水産科学館 ウォリヤス

岩手県内沿岸にあった多くのミュージアムが甚大な被害を受けたなか、海のそばにありながら高台のために難を逃れた岩手県立水産科学館。「残された館」として、この被害を伝えていく。(取材:2013年4月2日)

地図
岩手県立水産科学館 ウォリヤス
岩手県立水産科学館 ウォリヤス
http://uolog.npo-iwate.jp/uoriyas/
所在:岩手県宮古市
開館:1986年4月
フロア:地上1階、一部2階建て
震源からの距離:188Km
所在地の震度:5強
震災時の状況:開館中
おもな被害:館内は天井防炎用ガラスに亀裂、展示品の若干の落下など。活魚は熱帯魚ピラニアが停電による水温低下で死滅。他は大きな被害は無し。
再開:展示室は閉鎖も地域避難者への対応で震災後も開館。2011年5月末日までは入館料免除、以後は通常開館

日本初の「水産科学館」
好漁場を目前に控える岩手県。古くから漁業が営まれてきたこの地には、漁業にちなんだ行事や伝統的な漁具など、この地ならではの文化遺産も多い。都市化の進行によって失われつつある漁業の伝統的遺産を保存・継承する目的で宮古市に開館したのが「岩手県立水産科学館 ウォリヤス」である。

立地は、陸中海岸国立公園の中心である浄土ヶ浜近く。白い流紋岩が林立する浄土ヶ浜は三陸海岸を代表する景勝地のひとつで、夏には多くの海水浴客で賑わうレジャースポットである。

愛称の「ウォリヤス」は、魚「ウオ」とリアス式海岸から。科学の視点で水産を紹介する「水産科学館」の名を冠するミュージアムは他にもいくつかあるが、1986(昭和61)年開館の岩手県立水産科学館は、日本で初めての水産科学館でもある。


自家発電機が大活躍
揺れのわりには館自体の被害は少なかったというのは、水産科学館主査の梶山幸永さん。重さ100kgを超える水槽が前後にずれ動いてしまうほどの震動だったが、大きな展示品が落下したり、建物そのものが損傷を受けたりすることはなかった。ちなみに水槽は現在でも動いた状態のままで残し、来館者に当時の状況を説明する際に使っている。

館が位置する臼木山周辺は避難場所でもあり、揺れがおさまると周辺からは続々と住民が避難してきた。館も電気や水道のインフラは止まっていたが、館には自家発電機がある。しかも燃料は前日に購入したばかりという幸運も重なった。

館内照明の確保、水槽の展示魚類等の延命措置、夜間の投光器照明の確保に加え、避難者の携帯電話への充電のため、発電機は数日にわたってフル活用。水を流せないため新聞紙を使った処理ではあるものの、避難者にとってトイレの提供も大いに喜ばれたという。

その一方で、梶山さんは毛布や食料などの備えが少なかったことを残念に思っている。避難「場所」ではあるものの、館は避難「施設」ではないため、備えが義務付けられていないのだ。避難施設ではなくとも、有事の際に多くの人が集まった場合の状況を踏まえて、できる範囲で自主的に備えると同時に、県や市にも働きかけていきたいとしている。




             

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