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岩手県立水産科学館 ウォリヤス
被災直後の1階「海鮮市場」。(撮影:2012年2月28日)
津波被害のDVDは衝撃的

被災直後の外観。漁船が打ち揚げられ、地面の陥没も目立つ。(撮影:2012年2月28日)
上部に吊られて展示された舟も落下を免れた

館入り口には活魚の水槽が並ぶ
館入り口には活魚の水槽が並ぶ

取材に応じていただいた岩手県立水産科学館主査の梶山幸永さん
取材に応じていただいた岩手県立水産科学館主査の梶山幸永さん



衝撃の映像
取材の最後に、梶山さんは集会室に案内してくれた。「ここで希望者に宮古市の津波被害のDVDを見せているんです」。

映像は、梶山さんが個人的な繋がりで集めたもの。逃げる車に迫る濁流。撮影者の自宅が倒壊する瞬間。そして、携帯で写真を取りに行った多くの人々を襲う悲劇…。とてもマスメディアでは放映できない、衝撃的な場面が続く。

水産科学館ではこの映像を見せる際に、出来るだけスタッフが横について状況を説明するようにしている。どうしてこうなったのか、何をするべきだったのか。実際に被害を経験した自分たちの口から伝えたいという思いからだ。

「映像だけを見て、津波を理解した気になって欲しくないのです。多くの人が誤解していましたが、その時の状況によって引き波がなくても津波は来ることがありました」(梶山さん)


伝える使命
岩手には以前から“津波てんでんこ”という標語が伝わっている。“てんでん”とは“めいめい”を意味し、「津波が来たら各自でてんでバラパラに」という意図だが、今回の震災でも親や子どもの様子を見に行って、ともに亡くなった悲しい例が数多く報告されている。

「“津波てんでんこ”は、各々が安全な場所に逃げろ、という意味だけではありません。明治、昭和と過去の凄惨な三陸大津波を体験した先人たちが、苦渋の決断の末に作った言葉なのです。親が子を、子が親を、大切な人を探し、助けに向かって共に命を落としてしまうことで、その家の血が途絶えてしまう。その地に生きる大切な血統を絶やさないために、探しに、助けに戻らなくていいように“てんでんこ”に逃げて生きろ、そうして生きて再会するんだ。血統を継承していくために、という思いが込められているのです」(梶山さん)

「怖さ、優しさ、恵み…。海は様々な側面を持っています。岩手県立水産科学館の館長以下スタッフ一同、2011年3月11日に私たちが体験した事、思いをありのままに伝えていくことは、当館の使命だとも思っています」と、梶山さんは結んだ。

 
岩手県立水産科学館 ウォリヤスからのメッセージ



             

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