黄金期の浮世絵師たち

多くの実力派絵師が多彩に活躍した18世紀後半、なかでも天明(1781～89)から寛政(1789～1801)に至る約20年間は、大都市江戸の町人文化の隆盛とともに大衆芸術として浮世絵が展開され、のちに「錦絵の黄金期」と呼ばれています。 天明期に一世を風靡した鳥居清長(1752～1815)は、天明のヴィーナスとも称された健康的な八頭身美人の群像を現実的な風景の中に描きました。続く寛政期には、喜多川歌麿(?～1806)が版元の蔦屋重三郎(1750～97)と組み、女性の上半身のみをクローズアップした美人大首絵で、その仕草や表情から内面まで感じさせる豊かな表現を確立しました。 さらに、東洲斎写楽(生没年不詳)や歌川豊国(1769～1825)、勝川春章(1743～92)らの代表作なども加え、約110点を展示いたします。輝ける錦絵全盛期のまさに「これぞ浮世絵」という名作をお楽しみください。