斉藤保雄 回顧展

※新型コロナウイルス感染拡大の状況を受け、利用者を栃木県在住の方に制限して開館しております。 最新情報は川上澄生美術館公式HPをご確認頂くか、お電話でお問合せください。 斉藤保雄（1950‐2017）は、青森県出身で、20歳のときに、小林秀雄の『ゴッホの手紙』を読み、画家になることを決心しました。北海道での礼文島での生活を経て、油絵、そして木版画の制作へと歩み出します。 特定の美術団体に所属せず、独学で木版画を作り続け、1998年には《失われた光》で、第4回鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞・準大賞を受賞します。審査委員からは「無数の記憶や思いのこもったコラージュ的要素も、（選考の）最後に残るだけの内容をもっていた」と高く評価されました。 約40年間にわたる作品群のなかで、自分がどう生きるべきなのかを常に「自問自答」し続けました。それは人間の生と死への根源的な問いから始まり、やがて経済成長を優先して心の拠り所を失っていく現代社会の有り様へと向かいます。 本展は、2017年に67歳で亡くなった斉藤保雄の鹿沼では初の回顧展です。豊かで力強い版表現の世界を、どうぞお楽しみください。