半蔵門ミュージアム(東京都千代田区)は、特集展示「アジアの聖地 ―井津建郎 プラチナ・プリント写真展―」を2022年1月5日(水)より5月22日(日)まで、入場無料で開催します。井津建郎氏は、半世紀にわたりニューヨークを拠点に活動し、世界各地の聖地の撮影を通じて人間の内面を追究してきた写真家です(本年、活動拠点を日本・金沢に移しました)。
今回の特集展示「アジアの聖地」展は、昨年井津氏が活動50年を迎えたことを記念し企画されたもので、井津氏が1993年から2012年までアジア各地の聖地を撮影した50点のプラチナ・プリント写真作品を撮影順に展示し、彼の足跡を辿ります。
■精緻な質感描写による濃密な表現を可能にする「プラチナ・プリント」
今回の展示作品は、「聖地の緻密な質感描写」と、それを包む「濃密な空気」を記録するために、14×20インチ(35×50㎝)のネガ・フィルムを得る超大型カメラで撮影して密着プラチナ・プリントに印画されています。白から黒までの階調の幅が広く、グレーをほとんど無限に表現できるというプラチナ・プリントの特性は、「聖地という精神世界の具象物体を通して、自身の道を模索する行為の軌跡」と自ら記した井津作品を、記録写真とは異なる、深い精神性を持った世界として際立たせています。
アジア各地の遺跡写真を通して、見る者の心の内側にも深く響く井津建郎氏の世界をお楽しみください。なお、来館者には、展示作品写真と井津氏の撮影ノートを掲載した「解説冊子」(16ページ)を無料配布いたします。