また早稲田大学、日本美術学校、帝国美術学校(現武蔵野美術学校)、多摩帝国美術学校(多摩美術大学の前身)、多摩美術大学、関東学院大学、浅野学園(現浅野工学専門学校)、文化学院などで教鞭をとり、教育者としても大きな足跡を残しました。建築のエスキースやドローイング、スケッチ、模型など、現在残された膨大な資料はいずれも精神性が高く、豊かな芸術性を示し、時代を超えて観る者を感動させています。
2005年に開催した「建築家 今井兼次の世界」展では初期作品から晩年に至る今井兼次の仕事の全貌を俯瞰しましたが、本展では初期作品から1940年の航空記念碑までに焦点をあて、多くのスケッチ、図面、模型類を展示します。また1926~1927年にかけての欧米視察の際に撮影された膨大な写真資料やスケッチ、書簡、日記類などを通して、当時の著名人らとの交友や近代建築への鋭い視線を紹介します。今回はそれら今井兼次の200点を越す作品・資料でその業績を振り返ります。