奈義町現代美術館では、1980年代より絵画についての様々な試みを追究している美術家・山部泰司(1958~/やまべ・やすし)の個展「山部泰司展 ~変容する絵画~」を開催いたします。
山部は岡山県津山市で生まれました。京都市立芸術大学在学中から本格的な創作活動に入り1980年代初頭には、当時関西の新世代の美術家によるポストモダニズム的美術運動であった「関西ニューウェーブ」のオルガナイザーであり、代表的な作家の一人として注目されました。以降、個展やグループ展で次々に作品を発表、今日まで精力的に実験的な制作を続けています。
山部の作品は時代と共に変容してきました。
1987年からシリーズで描いた「咲く力」は、満開の花をモチーフに画面の中心に描く大胆な構図と動きと伸びのある力強いタッチの絵画でした。2000年初頭に描いた「今の絵」は、シンプルな色彩のカルグフィックな形で、漫画的な抽象画を描き、2003年からの「GOLD PAINTING」では、絵画の上に純金の金箔を貼り、絵具のマチェールを浮かび上がらせるまばゆい黄金の作品で、展示された場所の光線などにより作品を観る者に種々様々な鑑賞力を喚起させる実験的なものでした。
本展は、最新作、近作を中心に、これまでの作品の変遷を織り交ぜた絵画約30点で構成されます。