開館展より第4回目となる福田美術館の企画展は、横山大観・菱田春草をはじめとする東京画壇の作品を展示致します。福田コレクションの中核の一つを成す東京画壇の名匠たちの作品を、涼やかな大堰川の清流とともに、京都・嵐山でお楽しみください。
日本画壇の巨匠と言えば、誰もが横山大観の名を思い浮かべるのではないでしょうか。彼の描いた富士山の絵は、圧倒的な存在感をもって我々の記憶に刻まれています。しかし、大観の画風は当初から大衆に受け入れられたわけではなく、むしろ斬新すぎたため、「伝統を台無しにしている」という批判も受けました。
これに対して大観は、盟友・菱田春草と共に西洋画や琳派などの古美術研究に励み、新しい画風を確立していきます。
情熱的で感情派の大観に対して冷静で理知的な春草。対照的な性格のふたりでしたが、美術学校の頃より仲が良く、模写へ行く時も一緒でした。後に大観が海外へ渡ることになっても春草に声をかけて連れ立って行き、苦楽を共にしながら互いに成長します。
しかし春草は眼病を患った上、36歳という若さで亡くなってしまいました。 1Fギャラリーでは絶筆となった屏風作品「早春」を展示予定。短くも画業に心血を注いだ春草の軌跡や大観との友情、才能あふれる2人の画家にフォーカスしその作品の魅力を伝えます。