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三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡 展」

文 [エリアレポーター]コロコロ / 2019年3月13日


「ラファエル前派」というのは、馴染みがあるのでしょうか?
というのも、私はたまたま大学主催の教養講座「ラファエル前派」を受講したので知っていましたが、それまでは聞いたこともありませんでした。

「ラファエル前派」の活動期間はたったの9年。
美術学校の同級生が、こんな教育はダメだと意気投合して結成しました。
美術史全体の年表を見ると、表記がされないこともあるくらい短命です。

ラファエル前派って?

ラファエル前派を知る前は、ラファエル派というのがあり、その流派ができる前の過渡期に活躍した画家たち。
ラファエル派の設立に貢献した様式だと思っていました。ところが全く違います。

会場の入口に、ジュニア版見どころガイドがあります。
ラファエル前派がよくわからないという方は手にしてみて下さい。



ラファエルは、ルネサンス期のラファエロのこと。時代は1400年代末~1500年前半で、ミケランジェロと同時代です。

一方「ラファエル前派」が結成されたのは1848年。美術学校は、古い決まりごとにとらわれており、ルネサンスの巨匠、ラファエロに学ぶよう指導していました。
ところが、そんな考えはダメ。
ラファエロの前の時代「自然に忠実に」描くことを目指そうと、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティらは同盟を結成します。

ラファエル前派同盟が結成された1848年は、日本は幕末、5年後ペリーが来航した時代です。
そこから室町時代にあたるラファエロ前の時代の絵画を目指しました。ラスキン誕生200年。
さらに400年ほどさかのぼった時代を理想として9年活動した同盟の軌跡をたどる展覧会です。

ターナーからインスパイア―

ラスキンは、ラファエル前派同盟が結成される8年前、ターナーと出会います。
そして水彩画と版画を研究し、素描を通して自然界の知識を深め興味あるものをじっくりと眺めるという基礎を身につけました。



こちらはターナーの傑作と言われる作品で色彩と光の効果を探求しています。
ラスキンはターナ―を絶賛し、19世紀英国の偉大な画家としての評価の確立に大きな役割を果たしました。
この表現にデジャブ感があります。モネも参考にしたのでは?という話を教養講座で伺いました。

ラファエル前派



メインビジュアルでもあるロセッティの作品。
ラスキンはこの薔薇の花の描き方を雑だと語ったそう。どういう意味なのでしょう。
会場で探ってみては?

ラファエル前派を網羅的に扱う展覧会

ラファエル前派をよく理解できていない段階では、この展覧会の価値がわかりませんでした。
既存の美術教育をひっくり返すきっかけのターナー作品を多数集め、ラファエル前派の影響を受けた周辺の画家にもスポットをあてています。



そして第2世代と言われるバーンジョーンズ



さらにウィリアム・モリスがアーツ・アンド・クラフツ運動に発展させた足跡も追っています。



時代が進むと自然回帰がおき、新たな価値が生まれます。
日本も今、400年前の琳派に注目し新たな価値が生まれています。
歴史は西も東も繰り返されるようです。


会場三菱一号館美術館
開催期間2019年3月14日(木)~2019年6月9日(日)
休館日月曜日(ただし、4月29日、5月6日、6月3日と、トークフリーデーの3月25日、5月27日は開館)
開館時間10時~18時、祝日を除く金曜、第2水曜、4月6日、6月3日~7日は~21時まで(いずれも入館は閉館30分前まで)
所在地東京都千代田区丸の内2-6-2
03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://mimt.jp/ppr
料金一般 1,700円、高校・大学生 1,000円、小・中学生 無料
展覧会詳細へ 「ラファエル前派の軌跡 展」 詳細情報
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