インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  大阪市立東洋陶磁美術館「唐代胡人俑 ― シルクロードを駆けた夢」

大阪市立東洋陶磁美術館「唐代胡人俑 ― シルクロードを駆けた夢」

撮影・文 [エリアレポーター]白川瑞穂 / 2017年12月15日


展覧会の初めから、いきなり出てくるメインビジュアルの人物像がこちらです。


《加彩胡人俑》甘粛省慶城県 唐 開元18(730)年 穆泰(ぼくたい)墓出土 高50.0㎝ 慶城県博物館蔵

このポーズ、どこかで見憶えがありませんか?
もしや、昨年、YouTube発で、世界で大人気になったあの方?

実はこちら、1100年以上も前の唐の時代の中国でつくられた「俑(よう)」、墓の副葬用の陶製人形なのです。

2010年に中国の甘粛省・慶城県の墓から発見された、ユーモラスで独特な俑を日本で初めて公開する今回の展覧会。
東洋陶磁美術館の開館35周年を記念すると同時に、日中国交正常化45周年を記念して開催中です。

唐の時代、都の長安(現在の西安)とシルクロードをつなぐ交通の要所であった慶城県では、西方からやってきて中国文化に大きな影響を与えた胡人=ソグド人が多く活躍していました。
アジア系の民族とは異なるエキゾチックな風貌と斬新な風習を備えた胡人たちの存在は、当時の中国の人々に大変印象深く、彼らを生き生きと表現した副葬品が作られました。

それにしてもヒョウ柄のパンツ(むしろリアルヒョウ皮パンツ)にバンダナ、ドヤ顔、このポーズ・・・
関西人の私にはツッコミどころ満載なのですが、ラクダを引いている仕事中の姿で、決してふざけているわけではないのです。

こちらの俑もなかなか強烈な姿をしていますよ。


《加彩胡人俑》甘粛省慶城県 唐 開元18(730)年 穆泰(ぼくたい)墓出土 高54.0㎝ 慶城県博物館蔵

太鼓腹を出しちゃってます。謎です。
現在でも中国では夏の暑い日にシャツの前をはだけてお腹を見せる男性もいるそうで、唐の夏の風物詩でもあったのかもしれません。

続いては何とも言えない表情のこちら。


《加彩胡人俑》甘粛省慶城県 唐 開元18(730)年 穆泰(ぼくたい)墓出土 高48.0㎝ 慶城県博物館蔵

とても怖い顔をしているのですが、当時流行していた、漫才のようにボケとツッコミのある大道芸を行っている場面を表現した可能性があるそうで、ますます関西っぽいです!

これらの俑に共通して言えるのは、パッと見て独創的で斬新、ユーモラスな魅力にあふれているだけでなく、よく見ると顔のシワ・ひげ・肌など細部に至るまで繊細な表現がなされていること。

目力もすごいです。ぜひ実物をじっくりご覧ください。

また、この展覧会と並行して、現代アートの人物像を展示した「いまを表現する人間像」が開催されています。

時代も地域も様々な作家による、多彩な表現の人物像。


舟越桂《銀の扉に触れる》1990年 高 92.5cm 国立国際美術館

ニキ・ド・サンファル《アダムとイブ》1977年 38.4×22.0×12.0 アクリル、色鉛筆、パステル、プラスチック 国立国際美術館

シュテファン・バルケンホール《裸体像・女》1999年 162.0×29.5×29.5 アユース材、彩色 国立国際美術館

ここまで見てきた唐人胡人俑と全く違う表現に戸惑いますが、あえて比較して楽しむための企画です。

先ほどまでの胡人俑が、「誰が」「何をしているのか」の想像を膨らませてくれるのに対して、これらの作品は、「どんな人物なのか」という像の内面や存在意義を想像させてくれます。
またさらに「人間とは?」そして「自分とは?」と、その先を問われているようにも感じられるのです。

それぞれの展示ともに見ごたえがあり、あわせて観覧することで、倍以上の愉しみ方ができる展覧会です。
全ての作品が撮影可能なので、携帯の待ち受けにしたりSNSにアップしたりの楽しみもありますよ!

大いに笑い、ツッコミを入れ、感想や画像を共有して、素敵な冬のひと時をお過ごしください。



会場大阪市立東洋陶磁美術館
開催期間2017年12月16日(土)~2018年3月25日(日)
休館日月曜日(1/8、2/12は開館)、1/9(火)、2/13(火) 平成29年12/28(木)~平成30年1/4(木)
開館時間午前9時30分~午後5時 / 平成29年12/22(金)~12/24(日)は午後7時まで / 入館はいずれも閉館の30分前まで
所在地大阪府大阪市北区中之島1-1-26
06-6223-0055
HP : http://www.moco.or.jp/exhibition/upcoming/?e=440
料金一般 1,200円、高校生・大学生 700)円
展覧会詳細へ 「唐代胡人俑 ― シルクロードを駆けた夢」詳細情報
エリアレポーターのご紹介
白川瑞穂 白川瑞穂
関西在住の会社員です。学生の頃から美術鑑賞が趣味で、関西を中心に、色々なジャンルのミュージアムに出かけています。観た展示を一般人目線でお伝えしていきます。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
文豪・泉鏡花×球体関節人形~迷宮、神隠し、魔界の女~
泉鏡花×人形
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が開館
森ビル×チームラボ
江戸東京博物館「発掘された日本列島 2018」
発掘された日本列島
国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」
ルーヴル 肖像芸術
国立映画アーカイブ「没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより」
旅する黒澤明
書物工芸 ―柳宗悦の蒐集と創造
書物工芸
渋谷区立松濤美術館「ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展」
アンティークレース
太田記念美術館「江戸の悪 PARTⅡ」
江戸の悪 PARTⅡ
東京国立近代美術館「ゴードン・マッタ=クラーク展」
マッタ=クラーク
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
没後50年 河井寬次郎展 ―過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今―
河井寬次郎展
JRA競馬博物館がリニューアルオープン
JRA競馬博物館
「川島小鳥写真展「つきのひかり あいのきざし」」
[エリアレポート]
「川島小鳥写真展」
「ヴァンジ彫刻庭園美術館「須田悦弘 ミテクレマチス」」
[エリアレポート]
「須田悦弘」展
「ミホミュージアム 「赤と青のひみつ 聖なる色のミステリー」」
[エリアレポート]
「赤と青のひみつ」
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2018年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 縄文―1万年の美の鼓動 琉球 美の宝庫 ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか
アートアクアリウム展 ~名古屋・金魚の雅~ 新版画展 美しき日本の風景 生誕110年 東山魁夷展 水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお―
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 大和文華館 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2017 ミュージアムキャラクターアワード
2017 結果発表
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社