インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  神戸ファッション美術館「芳年 躍動の瞬間と永遠の美」

神戸ファッション美術館「芳年 躍動の瞬間と永遠の美」

撮影・文 [エリアレポーター]胤森由梨 / 2018年1月12日
“最後の浮世絵師”月岡芳年の展覧会が神戸ファッション美術館で始まった!

近代化へと向かう幕末から明治にかけて活躍した“最後の浮世絵師”月岡芳年(1839-92年)。江戸新橋にある丸屋町の商家に生まれ、12歳の時に武者絵で名を馳せた歌川国芳に入門しました。

本展覧会は、世界屈指の芳年コレクションとして知られる西井正氣氏の所蔵する作品で、芳年の初期から晩年にかけて、作品の変遷をたどることができるようになっています。

以下、特に印象深かった作品をご紹介していきます。


月岡芳年《英名二十八衆句 稲田九蔵新助》(慶応3年(1867年))

芳年といえば一般的には血だらけの人間を描いた“血みどろ絵”が有名です。

歌舞伎や講談などで上演される鮮血生々しい作品ばかりを集めた、「英名二十八衆句」という全28作品からなるシリーズの中でも、一番無惨な光景として知られているのがこちらのシーン。

描かれているのは、稲田幸蔵、稲葉幸蔵あるいは田舎小僧といった名前で歌舞伎や実録物に登場する稲葉小僧新助が、女性を吊し切りにするシーンです。

女性の体からは生々しい血が流れ、それは新助の足にも付着しています。


月岡芳年《魁題百撰相 冷泉判官隆豊》(明治元年(1868年))

「魁題百撰相(かいだいひゃくせんそう)」は、先ほどご紹介した英名二十八衆句と同じく、“血みどろ絵”として有名なシリーズで、南北朝時代から江戸時代初期までの戦乱に関わった人物が描かれています。

歴史上の人物を紹介する体裁をとっていますが、実は描かれているのは旧幕府軍と明治新政府軍との戦いが題材になっています。

こちらの作品に描かれているのは、戦国大名大内義隆の家臣・冷泉隆豊が自決するシーンです。

隆豊は、腹を切り、自分の臓物を大寧寺の天井へ投げつけ、陶晴賢(すえはるかた)を呪ったそうです。

唇を真っ青にしながらお腹から出た自分の臓器を投げつける、想像するだけで背筋がゾクッとしますよね。

芳年といえば、こうした“血みどろ絵”のイメージが強いですが、実はグロテスクな作品が制作されたのは20代の3年間だけなんだとか。

にもかかわらず、これだけのイメージを持たれるというのは、芳年の作品がそれだけ真に迫り、強烈だったということでしょう。

さて、この展覧会では、他にも芳年の歴史画や妖怪絵、美人画など多数展示されています。


月岡芳年《風俗三十二相 遊歩がしたさう 明治年間 妻君之風俗》(明治21年(1888年))

こちらは芳年の「風俗三十二相」シリーズ中、唯一の洋装の美人画です。

顔の表現は着物を着た美人画と変わりないですが、頭には花があしらわれた帽子をかぶり、紫色のテーラードカラーのジャケットを羽織った鹿鳴館スタイル。

明治16年(1883年)に完成した鹿鳴館での舞踏会には特権階級の女性たちがこのような出で立ちで出席したそうです。現代の目線で見ると、どこかあべこべな印象を受けますよね。

最後に、展覧会風景をご紹介します。



激動の時代に想いを馳せながら、芳年の躍動感あふれる作品をじっくりとご堪能ください。

会場神戸ファッション美術館
開催期間2018年1月13日(土)~3月11日(日)
休館日月曜日、2018年2月13日(火)(2月12日(月・祝)は開館)、2017年12月27日(水)~2018年1月12日(金)
開館時間10時~18時(入館は17時半まで)
所在地兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1
078-858-0050
HP : http://www.fashionmuseum.or.jp/
料金一般 500円、小・中・高・65歳以上 250円(特別展示・ベーシック展示あわせて)
展覧会詳細へ 「芳年 躍動の瞬間と永遠の美」詳細情報
エリアレポーターのご紹介
胤森由梨 胤森由梨
美術が大好きなアートライターです。美術鑑賞に関わる仕事を広げていきたいと思っています。現在、instagram「tanemo0417」「artgram1001」でもアート情報を発信中です! ブログ「たねもーのアート録」http://tanemo-art.com/

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
サントリー美術館「琉球 美の宝庫」
琉球 美の宝庫
東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」
藤田嗣治
三菱一号館美術館「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」
「ショーメ」展
国立西洋美術館「ミケランジェロと理想の身体」
ミケランジェロ
国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」
ルーヴル 肖像芸術
東京国立博物館「特別展「縄文―1万年の美の鼓動」」
「縄文」展
神奈川県立歴史博物館「明治150年記念 真明解・明治美術」
真明解・明治美術
静嘉堂文庫美術館「─ 明治150年記念 ─ 明治からの贈り物」
明治からの贈り物
文豪・泉鏡花×球体関節人形~迷宮、神隠し、魔界の女~
泉鏡花×人形
平塚市美術館「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」
深堀隆介
太田記念美術館「落合芳幾」
落合芳幾
国立歴史民俗博物館「企画展示「ニッポンおみやげ博物誌」」
おみやげ博物誌
没後50年 河井寬次郎展 ―過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今―
河井寬次郎展
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館「巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで―」
クレパス画展
出光美術館「「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ」
都市の華やぎ
千葉市美術館「木版画の神様 平塚運一展」
平塚運一
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が開館
森ビル×チームラボ
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
「川島小鳥写真展「つきのひかり あいのきざし」」
[エリアレポート]
「川島小鳥写真展」
「東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」」
[エリアレポート]
藤田嗣治
大阪歴史博物館 「明治維新150年NHK大河ドラマ特別展「西郷どん」」
[エリアレポート]
西郷どん
「ポーラ美術館「ルドン ひらかれた夢 ―幻想の世紀末から現代へ」」
[エリアレポート]
ルドンひらかれた夢
「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル 肖像芸術
「ヴァンジ彫刻庭園美術館「須田悦弘 ミテクレマチス」」
[エリアレポート]
須田悦弘
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2018年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 フェルメール展 「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか
生誕110年 田中一村展 縄文―1万年の美の鼓動 特別展 古代アンデス文明展 没後50年 藤田嗣治展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 大和文華館 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018 スタート!!
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社