インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  横浜美術館「NUDE-ヌード 英国テート・コレクションより」

横浜美術館「NUDE-ヌード 英国テート・コレクションより」

文 [エリアレポーター]松田佳子 / 2018年3月23日

桜の花も咲き始めた春の日、横浜美術館で「NODE-ヌード 英国テート・コレクションより」の内覧会へ行ってきました。



今でこそ美術館だけでなく、いろいろな場面でヌードの表現を見ますが、皆さんはどのように感じますか?
表現方法のひとつだから、何とも思わない?
いやいや、恥ずかしくて正視できない?

この展覧会は、英国テート美術館のコレクションを中心に、ヌードに注目した展覧会です。

西洋でも古くは「ヌードの彫刻や絵画はけしからん!」という考え方は当然でした。それでも多くの芸術作品の中にヌードがあるのは、神話や聖書の中のヌードなら「神聖なものだから大丈夫」という免罪符があったのですね。

この展覧会の冒頭は、古くからの考え方に沿って「物語とヌード」がテーマです。


ハモ・ソーニクロフト《テウクロス》1881年

ソーニクロフトは、19世紀の彫刻家ですが、まるでギリシャ彫刻のように美しく整った肉体の表現です。


アンナ・リー・メリット《締め出された愛》1890年

アメリカの女流画家である彼女は、結婚後3か月で亡くなった夫を追悼してこの作品を描いたといわれています。愛の神クピドが墓の扉を必死にこじ開けようとしている様子と足元に投げ出された愛の矢が切ない作品です。

20世紀なると、現実に存在する身近な人をヌードとして描くようになりました。芸術的表現と卑猥さが大いに論議される時代でした。


アンリ・マティス《布をまとう裸婦》1936年

密室の中でその風景に溶け込むように描かれた裸体のモデルは、不自然さがなく、画家とモデルの信頼をそこに感じます。

ヌードが画題として認知され始めると、人間ならだれもが持つ肉体そのものに関心が集まってきます。それが原始的な生命力を感じさせるような作品を生む風潮になってきたのでしょうか。



下は、この展覧会のシンボル的作品です。


オーギュスト・ロダン《接吻》1901-4年

見上げるほどの大きさと真っ白な大理石に圧倒される作品です。柔らかくしなやかな女性と筋骨たくましい男性の肉体の表現が崇高な愛を表現しています。

また、この部屋で見逃せないのは、風景画家として名高いターナーのヌードスケッチです。エロティックなスケッチの数々は、「あのターナー??」と思ってしまいますが、正確なデッサンは「さすがターナー!!」とも言いたくなります。


ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 左から《空のベッド》1827年 《ベッドに横たわるスイス人の裸の少女とその相手「スイス人物」スケッチブックより》1802年

20世紀半ばでは、芸術の表現としてレアリスムとシュルレアリスムが生まれました。人体もその新しい表現方法によりさまざまな形で表されてきました。





デ・クーニングやフランシスコ・ベーコンは独特の表現で、肉体表現に挑みます。体という器を通してモデルや画家の心のありようを捉えているように感じます。

肉体を表現するとは、性や人種などの固定観念に挑むことにもつながります。従来男性画家が女性のヌードモデルを描くことが多かったことに一石を投じたシルヴィア・スレイの作品などは私自身の固定観念を覆された思いでした。



展覧会の最終章のテーマは「儚き身体」です。生まれて死んでいく私たちの肉体は、儚くもあり、また力強くもあります。



こちらの3点は、リネケ・ダイクストラの作品で、左から出産後1時間《ジュリー》、1日《テクラ》、1週間《サスキア》の経産婦をカメラに収めたものです。

この企画展と同時に別室では、横浜美術館コレクション展「人を描く-日本の絵画を中心に」を同時開催しています。

日本ではどのような人体表現があったかを展示しています。
NUDE展で展示されていたミレイの《ナイト・エラント》を下村観山が紙本着彩で模写しているものも見られ、オトクな気分にもなりました。
ぜひ、そちらへもお立ち寄りになられてはいかがでしょうか。

会場横浜美術館
開催期間2018年3月24日(土)~6月24日(日)
休館日木曜日、5月7日(月)※ただし5月3日(木・祝)は開館
開館時間10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
所在地神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
046-845-1211
HP : https://artexhibition.jp/nude2018/
料金一般 1,600円、65歳以上 1,500円、大学・専門学校生 1,200円、中学・高校生 600円、小学生以下無料
展覧会詳細へ 「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
松田佳子 松田佳子
湘南在住の社会人です。子供の頃から亡き父のお供をして出かけた美術館は、私にとって日常のストレスをリセットしてくれる大切な場所です。展覧会を楽しくお伝えできたらと思います。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本
クリムト展
「横手市増田まんが美術館」がリニューアル'
増田まんが美術館
国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
ウィーン・モダン
東京都庭園美術館「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」'
キスリング展
三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡
ラファエル前派
ホキ美術館「スペインの現代写実絵画
スペインの現代写実
東京国立博物館「特別展 美を紡ぐ
日本美術の名品
三井記念美術館「鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝」'
円覚寺の至宝
東京国立博物館「国宝
国宝 東寺
横須賀美術館「縮小/拡大する美術 センス・オブ・スケール展」'
スケール展
森アーツセンターギャラリー「ムーミン展」
ムーミン展
パナソニック汐留美術館「ギュスターヴ・モロー
モロー展
東京ステーションギャラリー「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」'
ルート・ブリュック
国立西洋美術館「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ
ル・コルビュジエ
東京都江戸東京博物館「江戸の街道をゆく」'
江戸の街道をゆく
横浜美術館「Meet
アートと人と美術館
国立科学博物館「特別展
大哺乳類展2
サントリー美術館「information
左脳と右脳
あべのハルカス美術館「クマのプーさん展」
[エリアレポート]
クマのプーさん展
愛知県美術館「アイチアートクロニクル1919-2019」
[エリアレポート]
アイチクロニクル
奈良国立博物館「国宝の殿堂 藤田美術館展 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき」
[エリアレポート]
藤田美術館展
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
インターネットミュージアム アルバイト募集中
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 特別展 「恐竜博 2019」
特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ― 雪舟、永徳から光琳、北斎まで ―」 鎌倉禅林の美「円覚寺の至宝」 ムーミン展 六古窯 ― 〈和〉のやきもの
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社