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京都国立博物館 「池大雅 天衣無法の旅の画家展」

撮影・文 [エリアレポーター]白川瑞穂 / 2018年4月6日


円山応挙、伊藤若冲に並ぶ18世紀京都画壇三巨匠の一人、池大雅。
実に85年ぶりとなる過去最大規模の大回顧展です。



応挙、若冲に比べると一般的な知名度は残念ながらやや低め。
中国絵画や漢詩、漢文のエッセンスを含み少し「とっつきにくそう」、または、モノトーンの水墨画作品が多くて「地味」なイメージがあるかもしれません。

しかし、作品ごと時代ごとに多彩な表情を次々に見せる、生き生きとした自由な表現を目の当たりにすると、その魅力に惹きつけられてしまうこと請け合いです。

大雅が才能を発揮したのは、実は絵よりも書が先でした。
7歳から書を学び始めた大雅が宇治の萬福寺で書を披露した際に住職に絶賛され、「7歳にして神童である」というお墨付きをいただいたことを示す書が右側の作品。

冒頭に「七歳神童」という文字が書かれています。


(右)与池野氏又次郎童子偈 紙本墨書 一幅 30.1×50.6cm 江戸時代 享保14年 (1729) 京都府蔵(池大雅美術館コレクション) / (左)獨楽園之記 紙本墨書 一幅 28.1×27.1cm 江戸時代 享保19年(1734) 京都府蔵(池大雅美術館コレクション)
左の大雅12歳時の書もすでに老成の感があり、後には画家としてだけでなく書家としても名を馳せました。

また若い頃、扇に絵を描いて売る扇屋や印刻店を営んだと言われる大雅は、書と画がコラボレーションした作品も多く残しています。


池大雅筆 自賛 騰雲飛濤図 紙本墨画 二幅対 各136.9×59.1cm 江戸時代 18世紀
雲や風雨のダイナミックな動きを「書画一致」で見事に表現しています。

20代後半には、筆の代わりに指で描く指墨画も制作します。
中国では即興のパフォーマンスアート的な要素が強かったそうですが、大雅はオリジナルな表現方法の確立のためこの手法を積極的に取り入れ、指や爪先を使って巧みに描くことに成功しました。

下の作品の髪の毛の部分は指先を押し付けて描いており、大雅の指紋の跡がくっきりと残されています。ぜひ間近でご覧になってみてください。


池大雅筆 自賛 寒山拾得図 紙本墨画 一幅 125.1×28.0cm 江戸時代 18世紀
大雅の妻、徳山玉蘭は大雅から絵を学び、画家として活躍します。
二人は大変仲睦まじく、共に楽器の演奏を楽しむこともあったそうです。
こちらは優しい表現の菊の絵に大雅が賛を記した作品です。


徳山玉蘭筆 池大雅賛 墨菊図 紙本墨画 一幅 99.2×28.9cm 江戸時代 18世紀
大雅の創作のスタイルが確立された集大成となったのが40代の作品です。
重要文化財の瀟湘勝概図屏風は「江戸の印象派」という言葉がぴったり。
光と影、透明感のある明るさに満ち溢れたみずみずしさを感じます。
淡彩と点描による表現が美しく、印象派ファンの方も心惹かれるのではないでしょうか。


重要文化財 池大雅筆 瀟湘勝概図屏風 紙本墨画淡彩 六曲一双 84.6×300.0cm 江戸時代 18世紀
大雅は交友関係が幅広く、引きこもりがちだったと言われる伊藤若冲とも親交があったほどで、今で言うところのコミュ力抜群の絵師でした。

ダイナミックな構図に伸びやかな表現。細部までの細やかな描き込み。
おおらかながら繊細さを併せ持つ画の魅力は、大雅の人柄をそのまま現しているのかもしれません。

ところで今回の池大雅展では、大雅が活躍した時代の江戸幕府八代将軍吉宗を演じた、俳優の松平健さんがアンバサダーに就任されました。

4月13日には、ご本人が登場!記念撮影会とトークイベントが開催されます。
ファンの方は見逃せませんね。



事前予約は不要ですが、当日、先着順で整理券が配布されます。
詳しくは京博のホームページをご覧ください。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/oshirase/post_180402.html

また、人気のトラりんと池大雅展がコラボした限定グッズも発売。
マスキングテープやお菓子など、お土産にも自分用にも欲しいのが用意されていますので、ぜひお早めにチェックしてくださいね。



池大雅の国宝3件、重文13件の作品が全て見られる、またとない機会です。
ぜひ大雅の魅力溢れる作品世界をご堪能下さい!

会場京都国立博物館
開催期間2018年4月7日(土)~2018年5月20日(日)
休館日月曜日 ※ただし4月30日(月・休)は開館、翌5月1日(火)は休館
開館時間9:30~17:00、金曜・土曜は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
所在地京都府京都市東山区茶屋町527
075-525-2473(テレホンサービス)
HP : http://www.kyohaku.go.jp/
料金一般 1,500円、大学生 1,200円、高校生 900円
展覧会詳細へ 「池大雅 天衣無縫の旅の画家」詳細情報
エリアレポーターのご紹介
白川瑞穂 白川瑞穂
関西在住の会社員です。学生の頃から美術鑑賞が趣味で、関西を中心に、色々なジャンルのミュージアムに出かけています。観た展示を一般人目線でお伝えしていきます。

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