インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」

国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」

文 [エリアレポーター]松田佳子 / 2018年5月29日
5月30日より国立新美術館で開催される「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」は、ルーヴル美術館が所蔵する古代から19世紀までのヨーロッパ各地の肖像芸術の作品を集めた展覧会です。

この展覧会は、肖像というテーマを目的や想いに着目しながら、時代の流れもわかりやすく、とても興味深いものでした。



古くから肖像には、自分自身の死、大切な人の死により滅びていく肉体を、彫像や絵画の中に遺し、いつまでも記憶の中にとどめておきたいという切実な想いがありました。


ジャック=ルイ=ダヴィッドと工房 《マラーの死》 1794年頃
こちらの作品は、フランスの革命指導者マラーが、ジロンド派支持者のシャルロット・コルデーに暗殺された当時を再現したものです。

犯行に使われた凶器や台の銘文、手紙などの小道具がマラーの思想や政治的な意味合いを持たせています。
ダヴィッドはこの衝撃的な事件に物語性を持たせて、人々の記憶に留めようとしました。

また、肖像を制作することによって、その姿を広く知らしめ、権力や富の証としてきたという歴史もあります。


フランチェスコ・マリア・スキアッフィーノ 《リシュリュー公爵ルイ・フランソワ・アルマン・デュ・プレシ(1696-1788)》 1748年
リシュリュー公爵は、当時宮廷や戦場の中でも大きな影響力のあった人物だそうです。
この像は本人からの発注だったと考えられています。

150cm弱の大きな像ですが、巻き髪、レースの透かし模様などがとても細かく彫られていて、近くで見るとその繊細さに驚きます。


左から アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオンの工房 《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》 1812年以降 / アントワーヌ=ジャン・グロ 《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》 1796年


クロード・ラメ 《戴冠式の正装のナポレオン1世》 1813年
今回の展示会場の中には、ナポレオンの肖像だけを集めたブースがあります。
皆さんもいろいろなところで目にするナポレオン像かと思います。
ナポレオン自身が己の功績や正当性を広めるために、これらの肖像を制作させたとも言われています。


セーブル王立磁器製作所 《国王の嗅ぎ煙草入れの小箱》 1819-1820年とマリー=ヴィクトワール・ジャコト 《ミニアチュール48点》 1818-1836年
こちらは、ルイ18世の嗅ぎ煙草入れの小箱とミニアチュールです。

48のミニアチュールには、フランスの歴代の王族の肖像や文豪らが描かれていて、嗅ぎ煙草入れの蓋としてそれぞれを気分に合わせて付け替えることができたのだそうです。


左から エリザベート・ルイーズ・ヴェジェ・ル・ブラン 《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカブロンスキー伯爵夫人(1761-1829)の肖像》 1796年 / オーギュスタン・バジュー 《エリザベート・ルイーズ・ヴェジェ・ル・ブラン(1755-1864)》 1783年
ル・ブランは、女性らしい感性を持って、おしゃれで美しく女性を描き、マリー=アントワネットのお気に入りの肖像画家として大成した人物です。
左は彼女の描いた肖像で、右は彼女がモデルになったテラコッタです。

画家として歩み始め自信に満ち、ファッションリーダーでもあったという在りし日の姿が偲ばれます。

肖像が作られる理由は、個人的な理由であったり、政治的な理由であったりしました。
しかし、長い年月が過ぎ、モデルがこの世を去ったのちも、生きた証が今ここに残されているというのは不思議な気持ちになります。

なお、歴史的な人々が出てきますので、その背景を詳しく知りたい方は音声ガイド(オフィシャルサポーター高橋一生さん)を借りられることをお勧めします。

また、ミュージアムショップではフランスらしいエスプリの効いた雑貨の数々をみつけるのも楽しそうです。



会場国立新美術館 企画展示室1E
開催期間2018年5月30日(水)~2018年9月3日(月)
休館日毎週火曜日(ただし8/14は開館)
開館時間10:00~18:00、金・土は6月は~20:00まで、7・8・9月は~21:00まで(入場は閉館の30分前まで)
所在地東京都港区六本木7-22-2
03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.ntv.co.jp/louvre2018/
料金一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円、中学生以下は無料
展覧会詳細へ 「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
松田佳子 松田佳子
湘南在住の社会人です。子供の頃から亡き父のお供をして出かけた美術館は、私にとって日常のストレスをリセットしてくれる大切な場所です。展覧会を楽しくお伝えできたらと思います。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
森アーツセンターギャラリー「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」
新・北斎展
東京都美術館「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」
奇想の系譜展
世田谷文学館「ヒグチユウコ展 CIRCUS(サーカス)」
ヒグチユウコ展
サントリー美術館「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」
河鍋暁斎
埼玉県立近代美術館「インポッシブル・アーキテクチャー」
インポッシブル
太田記念美術館「小原古邨」
小原古邨
出光美術館「染付 ― 世界に花咲く青のうつわ」
染付
原美術館「「ソフィ カル ― 限局性激痛」原美術館コレクションより」
ソフィ カル
静嘉堂文庫美術館「岩﨑家のお雛さまと御所人形」
岩﨑家のお雛さま
国立新美術館「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」
イケムラレイコ
アーツ前橋「闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930s-2010s」
闇に刻む光
ポーラ美術館「モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい」
モダン美人誕生
国立科学博物館「明治150年記念 日本を変えた千の技術博」
千の技術博
パナソニック 汐留ミュージアム「子どものための建築と空間展」
建築と空間展
21_21 DESIGN SIGHT「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」
「民藝」展
静岡市美術館「起点としての80年代」
起点としての80年代
岡田美術館「開館5周年記念展 美のスターたち ―光琳・若冲・北斎・汝窯など名品勢ぞろい―」
美のスターたち
大阪市立美術館「フェルメール展」
[エリアレポート]
フェルメール展
横浜美術館「イサム・ノグチと長谷川三郎 ― 変わるものと変わらざるもの」
[エリアレポート]
イサム・ノグチ
サントリー美術館「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」
[エリアレポート]
河鍋暁斎
あべのハルカス美術館「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」
[エリアレポート]
驚異の超絶技巧!
すみだ北斎美術館「北斎アニマルズ」
[エリアレポート]
北斎アニマルズ
たばこと塩の博物館「江戸の園芸熱」
[エリアレポート]
江戸の園芸熱
京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」
[エリアレポート]
世紀末ウィーン
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
新・北斎展 HOKUSAI UPDATED フェルメール展 顔真卿 王羲之を超えた名筆 アルヴァ・アアルト もうひとつの自然
奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド ゴッホ展 北斎アニマルズ イメージコレクター・杉浦非水展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社