インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」

東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」

文 [エリアレポーター]松田佳子 / 2018年7月30日
藤田嗣治の没後50年を記念して、大掛かりな回顧展が開催されました。
藤田嗣治といえば、「乳白色の裸婦」あるいは「作戦記録画(戦争画)」が有名ですが、藤田研究の第一人者である林洋子さんの監修のもと、今回は藤田の全生涯に渡っての作品を注目しています。


展覧会フォトスポットの風景

1913年に初めて渡仏した藤田は、パリに集まる外国人芸術家集団「エコール・ド・パリ」の一員として脚光を浴びます。
そこでピカソやモディリアーニとの交流が始まりますが、本展でもピカソのキュビスム風の静物画やモディリアーニの女性像風の人物画などがあり、パリで試行錯誤をしていた若き日の藤田もうかがい知ることができました。


《二人の少女》、1918年、プティ・パレ美術館(スイス・ジュネーヴ)蔵、©Fondation Foujita / ADAGP,Paris & JASPAR,Tokyo,2017 E2833

こちらの作品は、1920年代に一世を風靡する「乳白色の下地」を予告させるようです。
すんなりとした少女の体つき、黒い瞳と小さな口、そしてすべすべの素肌にはのちの藤田の婦人画の特徴がはっきりと出ています。


《自画像》、1929年、東京国立近代美術館蔵、©Fondation Foujita / ADAGP,Paris & JASPAR,Tokyo,2017 E2833

藤田は、自画像を多く描いた作家でもあります。
おかっぱ頭、丸眼鏡、ちょび髭の藤田は、私たちが良く知る藤田像です。
裸婦画の繊細な輪郭線を作り上げた墨と硯と面相筆が、この自画像の中にも描かれています。


《争闘(猫)》、1940年、東京国立近代美術館蔵、©Fondation Foujita / ADAGP,Paris & JASPAR,Tokyo,2017 E2833

猫好きでも知られる藤田ですが、こちらの猫たちはなにやら不穏な表情をしています。
この作品は第2次世界大戦がはじまったのちに描かれたものです。
いつも愛らしい猫たちが争いを起こしている姿は、深刻化していく戦争の時代を例えているようです。
その後図らずも代名詞となってしまった「作戦記録画(戦争画)」を描いた藤田の人生は、2つの大戦に翻弄されたものでした。


展示風景 ©Fondation Foujita / ADAGP,Paris & JASPAR,Tokyo,2017 E2833

戦後の1949年にニューヨークを経てパリに移った藤田は、その後日本に帰ることはありませんでした。
晩年の藤田は、 裸婦、子供たちを描き、パリの風景を切り取っていきます。
本展でポスターになっている《カフェ》が、今回は下絵とともに展示されているのは興味深いところです。
この作品の下絵はニューヨークで描かれたものだそうです。
第2の故郷でもあるパリに早く戻りたい、そんな藤田の郷愁が感じられるようです。


《礼拝》、1962-63年、パリ市立近代美術館(フランス)蔵、 ©Fondation Foujita / ADAGP,Paris & JASPAR,Tokyo,2017 E2833

カトリック教徒となり、レオナール・フジタという洗礼名は尊敬するレオナルド・ダ・ヴィンチからきているそうです。

藤田嗣治は、今でもフランスで最も尊敬されている日本人芸術家です。
その人生にはたくさんの逸話があります。どれが本当の藤田だったのでしょう。
日本でこれほどの回顧展が開かれることは、今後もあまりないとのことでした。
ぜひ会場で、みなさんなりの藤田像を感じてみてはいかがでしょうか。

また、本展はオリジナル・グッズも充実していて大注目です。
特にしりあがり寿さんの「フジタ画伯」のグッズはユーモラスでおすすめです。


「フジタ画伯」のオリジナル・グッズ

会場東京都美術館
開催期間2018年7月31日(火)~2018年10月8日(月・祝)
休館日月曜日、9月18日(火)、25日(火) ※ただし、8月13日(月)、9月17日(月・祝)、24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室
開館時間9:30~17:30(入館は17:00まで)、金曜日は~20:00まで
所在地東京都台東区上野公園8-36
03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.tobikan.jp/
料金一般 1,600円、大学生・専門学校生 1,300円、高校生 800円、65歳以上 1,000円
展覧会詳細へ 没後50年 藤田嗣治展」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
松田佳子 松田佳子
湘南在住の社会人です。子供の頃から亡き父のお供をして出かけた美術館は、私にとって日常のストレスをリセットしてくれる大切な場所です。展覧会を楽しくお伝えできたらと思います。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
「横手市増田まんが美術館」がリニューアル'
増田まんが美術館
東京国立博物館「国宝
国宝 東寺
根津美術館「尾形光琳の燕子花図」'
尾形光琳の燕子花図
東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本
クリムト展
国立新美術館「トルコ至宝展 チューリップの宮殿
トルコ至宝展
パナソニック汐留美術館「ギュスターヴ・モロー
モロー展
千葉市美術館「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション」'
M.A 浮世絵
東京国立近代美術館「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」'
福沢一郎展
歴博の総合展示第1展示室「先史・古代」がリニューアルオープン'
歴博「先史・古代」
MIHO
曜変天目と破草鞋
国立科学博物館「特別展
大哺乳類展2
日本科学未来館「企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~」'
工事中!
横浜美術館「Meet
アートと人と美術館
京都文化博物館 別館ほか「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019」
[エリアレポート]
京都国際写真祭
名古屋市美術館「印象派からその先へ ― 世界に誇る吉野石膏コレクション」
奈良国立博物館「国宝の殿堂 藤田美術館展 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき」
[エリアレポート]
藤田美術館展
DIC川村記念美術館「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」
[エリアレポート]
ジョゼフ・コーネル
中之島香雪美術館「明恵の夢と高山寺」
[エリアレポート]
明恵の夢と高山寺
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー 特別展 御即位30年記念 両陛下と文化交流 ― 日本美を伝える ― フェルメール展 特別展 「恐竜博 2019」
ムーミン展 「不思議の国のアリス展」神戸展 六古窯 ― 〈和〉のやきもの ウィリアム・モリスと英国の壁紙展 ― 美しい生活をもとめて
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社