インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  東京都写真美術館「建築 × 写真 ここのみに在る光」

東京都写真美術館「建築 × 写真 ここのみに在る光」

文 [エリアレポーター]新井幸代 / 2018年11月12日
東京都写真美術館で初めての試みとなる、建築をテーマとした企画展が開催されています。
本展示は2つの章から成り、第1章で建築が被写体となった歴史を紐解き、第2章で写真家を通して見た建築の美しさ、面白さ、時間的・空間的な制約などを共有することができます。

第1章

写真を撮るだけで8時間もかかったような初期の写真技術においては、動かない建築が被写体として好都合でもありました。


左)シャルル=イジドール・ショワズラ&スタニスラス・ラテル《旧フロールの館とチュイルリー公園》1845年 ダゲレオタイプ

世界最初の実用写真技術であるダゲレオタイプは、銀メッキされた銅版を1回1回用いたため、角度によって反射しています。

記録する役割に始まった建築写真は、時代を辿るごとに徐々に個性が滲み出す様が見て取れました。


ベルント&ヒラ・ベッヒャー《9つの戦後の家》1989年 ゼラチン・シルバープリント

第2章

11人の写真家それぞれにつき、1テーマで構成されています。
11人の中には建築写真で有名な方はもちろん、建築以外のシリーズで有名な方もいらっしゃいました。
テーマも、特定の建築(伊勢神宮、桂離宮など)、地域(軍艦島、九龍城など)、建築家(丹下健三、ガウディ、コルビュジエなど)といったようにバラエティに富んでいます。


左)奈良原一高<人間の土地>より《緑なき島ー軍艦島:アパートの階段》1954-57年 / 右)奈良原一高<人間の土地>より《緑なき島ー軍艦島:アパートの道》1954-57年 共にゼラチン・シルバープリント

今回のチラシに使用されている原直久さんの作品群は、モノクロにも関わらず、路地裏を探検しているときのような臨場感が印象的でした。


左)右)共に 原直久<イタリア山岳丘上都市>より《チステルニーノ,イタリア,1984》1984年 ゼラチン・シルバープリント

石元泰博さんの<桂>シリーズでは、建築写真では撮らないような庭の敷石と苔の質感・パターンにまで着目された作品がありました。
私たちが建築に想いを馳せるときには、庭、内装を含めた空間全体を捉えているのかもしれないと感じました。


石元泰博<桂>より《古書院御輿寄前中坪の延段・石と苔》1953年 ゼラチン・シルバープリント

同じ東京都写真美術館で開催された柴田敏雄さんの個展では、ダムや橋、道路端斜面の落石防止コンクリートといった、美術的用途が主たるものではない社会インフラの美しさが引き出されていました。

今回は、ベルギーの建築家ローラン・ネイさんの手掛けた橋でした。
これまでとは対称的に、建築家の意図した美が既にある状態から何を抽出するのかに興味がありました。


左)柴田敏雄《Second Schelde Bridge,Temse,Belgium 2013》2013年 / 右)柴田敏雄《Smedenpoort Footbridges,Bruges,Belgium 2013》2013年 共にインクジェット・プリント

その場所に、その瞬間建っていること。
そんなシンプルな美しさを感じました。

この建築と写真という組み合わせは、担当学芸員の方が長年温めてきた企画とのことです。
内覧会では、図録に載っていないような、言われなければ気づかないような点まで解説して頂き、作品の背景を知ることができました。
平日(第1・第3金曜日 14:00~)のみの開催ですが、ギャラリートークもお勧めです。


会場東京都写真美術館
開催期間2018年11月10日(土)~2019年1月27日(日)
休館日月曜日(ただし、12/24、1/14は開館。12/25、1/15は休館)、年末年始(12/29~1/1)
開館時間10:00~18:00、木・金は20:00まで(12/28、1/4は18:00まで、いずれも入館は閉館30分まで)、1/2・3は11:00~18:00
所在地東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
03-3280-0099
HP : http://topmuseum.jp
料金一般 600円、学生 500円、中高生・65歳以上 400円
展覧会詳細へ 「建築 × 写真 ここのみに在る光」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
新井幸代 新井幸代
興味の幅が広いため、美術館だけでなく、自然科学・歴史系の博物館も好きです。
直感の趣くまま、観たいな、良いな、と思った展覧会をレポートしていきたいとおもいます。
ブログ:~No Love, No Museum.~
http://ameblo.jp/nolove-nomuseum/

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
森アーツセンターギャラリー「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」
新・北斎展
日本科学未来館「企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~」'
工事中!
東京都美術館「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」
奇想の系譜展
東京ステーションギャラリー「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」'
アルヴァ・アアルト
国立西洋美術館「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ
ル・コルビュジエ
神奈川県立歴史博物館「屏風をひらけば」
屏風をひらけば
そごう美術館「高野山金剛峯寺襖絵完成記念 千住博展 日本の美を極め、世界の美を拓く」'
千住博展
埼玉県立近代美術館「インポッシブル・アーキテクチャー」
インポッシブル
東京国立博物館「特別展 御即位30年記念 両陛下と文化交流 ― 日本美を伝える ―」
両陛下と文化交流
森美術館「六本木クロッシング2019展:つないでみる」
六本木クロッシング
根津美術館「ほとけをめぐる花の美術」
ほとけをめぐる
出光美術館「染付 ― 世界に花咲く青のうつわ」
染付
太田記念美術館「小原古邨」
小原古邨
世田谷文学館「ヒグチユウコ展 CIRCUS(サーカス)」
ヒグチユウコ展
Bunkamura ザ・ミュージアム「クマのプーさん展」
クマのプーさん展
東京都庭園美術館「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」'
岡上淑子
サントリー美術館「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」
河鍋暁斎
原美術館「「ソフィ カル ― 限局性激痛」原美術館コレクションより」
ソフィ カル
アーツ前橋「闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930s-2010s」
闇に刻む光
静岡市美術館「起点としての80年代」
起点としての80年代
細見美術館「石本藤雄展 マリメッコの花から陶の実へ ―琳派との対話―」
[エリアレポート]
石本藤雄展
大阪市立美術館「フェルメール展」
[エリアレポート]
フェルメール展
国立国際美術館「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」
[エリアレポート]
ボルタンスキー展
練馬区立美術館「ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ-ユニマットコレクション-」
[エリアレポート]
ラリックエレガンス
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
「不思議の国のアリス展」神戸展 アルヴァ・アアルト もうひとつの自然 フェルメール展 特別展 御即位30年記念 両陛下と文化交流 ― 日本美を伝える ―
新・北斎展 HOKUSAI UPDATED ラファエル前派の軌跡 展 ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー 福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社