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ポーラ美術館「モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい」

文 [エリアレポーター]コロコロ / 2018年12月8日


明治150年を迎えた今年、平成までを俯瞰する展覧会が多く開催されました。
開国後の急速な欧化、科学技術の進歩や生活スタイルの変化は、女性のファッションや髪型、美意識にも大きな影響を与えました。

生き方も多様化し、社会進出すると、モダンで華やかなファッションに身を包みます。
新たな「美人のイメージ」が更新されていく歴史的な背景を追ってみます。

幕末から明治の美人の描かれ方

江戸時代は遊女や芸妓が美人とされ、浮世絵で描かれました。
開国すると江戸の慣習を引き継ぎながら、次第に洋装化していきます。
まずは天皇、そして皇后、さらに華族へと広がりました。
過渡期の女性たちはバッスル・ドレスを着用し、浮世絵で描かれます。




理想化した美人像の創出

新たな時代の「美人イメージ」の形成に大きく寄与したのが岡田三郎助です。
絵画も西洋化が進み油彩がもたらされます。岡田も1897年(28歳)から4年、フランスで学びました。

▼美人コンテストや百貨店から生まれた美人像


洋装化による美人のイメージは、美人コンテストの開催や、百貨店、雑誌に掲載される女性像によって作られました。
大きな瞳、物憂げな表情の「岡田調美人」として人々に受け入れられます。

▼油彩で描かれた美人画

(左から)岡田三郎助《あやめの衣》1927年 ポーラ美術館 / 《納戸縮緬地八橋に杜若模様小袖》江戸時代 松坂屋コレクション(J.フロント リテイリング史料館)
岡田三郎助の代表作。油彩なのに日本画に見えます。
モチーフの影響もありそうですが、奥行きのない背景が日本画をイメージさせるようです。
描かれた着物が展示されており、見るとビックリです。
子供の着物?と思うくらい小さいのです。当時の小柄な日本人の体形が伝わってきます。


岡田三郎助《支那絹の前》1920年 高島屋資料館
悲しそうな妻八千代。この頃、三郎助との関係が綻びだし、2年後に別居したそう。


岡田三郎助《支那絹の前》1920年 高島屋資料館 (部分)

着物は、金糸の質感がリアルな油彩表現です。展示替え後、背景の布と着物が並びます。
妻八千代が手を通していた着物と、三郎助が直しても直しても悲しげな表情の絵。
晩年までアトリエに掛けていたそうです。心に迫るものがあります。

大正期からのモダンガール



大正から昭和初期、街中をモダンガールが闊歩しました。
和装と洋装が入り乱れて銀座界隈を行きかっています。


榎本千花俊《池畔春興》1932年 島根県立石見美術館
洋装のハードルは高く、羽織とワンピースの和洋折衷に、モダンな髪型。
カメラや毛皮などの小物を手にしています。


(左から)《マニュエル兄弟写真館 朝香宮允子妃肖像》1924年 東京都庭園美術館 / 榎本千花俊《口紅を描く》1935年 島根県立石見美術館
流行の先端、スキーを楽しむ女性が口紅を引く姿が掛け軸に描かれました。

多様化し変化する女性像


(左から)《麗子像》1922年 / 《麗子坐像》1919年 いずれも、岸田劉生 ポーラ美術館
麗子像。なぜ我が子をこのように描いたのでしょう。
女性像の変遷という歴史の流れで捉えると、岸田劉生は新しい女性美を創出したのだと理解しました。

女性の美とは?国家が世界に並ぶため威信をかけつつ、新旧の時代を融合し流動性あるスタイルを経て、大陸的な美も取り入れ変化しました。
これからの日本女性の美を考える時、国籍や性を超え、多様な美を受け入れられる社会の創生が必要だと感じました。

明治に生まれた「美術」の歴史は150年。
その中で変化した女性の美を振り返り、これからの「美」について問われているように感じました。


会場ポーラ美術館
開催期間2018年12月8日(土)~2019年3月17日(日)
休館日会期中無休、但し2019年1月30日(水)は展示替えのため企画展示室は休室
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
所在地神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
0460-84-2111(代表)
HP : http://www.polamuseum.or.jp/sp/jmb/
料金大人 1,800円、シニア割引(65歳以上)1,600円、大学・高校生 1,300円、中学・小学生 700円
展覧会詳細へ 「モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい」 詳細情報
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