インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」

京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」

文 [エリアレポーター]カワタユカリ / 2019年1月11日



今年は、日本・オーストリア外交樹立150周年記念の年。グスタフ・クリムト展の開催も話題で、心待ちの人も多いでしょう。

そのクリムトが中心となりウィーン分離派(正式名称はオーストリア造形芸術家協会)が設立された1897年から第一次世界大戦勃発の1914年までの間に、ウィーンで生み出されたグラフック作品などの数々が紹介される展覧会が京都国立近代美術館で始まりました。

2015年に当館が一括コレクションした約360点、初公開です。


《ヘルマン・バール、ペーター・アルテンベルク(序)『グスタフ・クリムト作品集』1918年》(一部)
タイトルにある「世紀末」という響きは、何か退廃的な印象を醸し出します。
しかし目の前にある作品たちは、とても斬新、ポップ、または緻密と様々。会場を歩いていると、その時代の人々の活気ある声が聞こえてくるかのようでした。

分離派とは、過去の保守的な様式から「分離」し、新しい自由な芸術を目指した芸術運動です。
ミュンヘン、ベルリンでも分離派は結成されましたが、「豊かな人々のための芸術と貧しき人々のための芸術の区別」を撤廃することを目標に掲げ、人々の生活に影響を及ぼしたウィーン分離派が最も有名です。

本の装丁、カレンダー、家具、トランプ…展示品を見ていると、その成果をしっかり確認することができます。


《エディタ(ディタ)・モーザー トランプカード 1905年》


《ルドルフ・ユンク 1908年版カレンダー 1907年》 (手前)
ウィーン菓子店「デメル」の菓子箱に描かれた挿し絵に似た作品もありました。

現在でも、その菓子箱をコレクションしたくなる程デザインに魅了されているのだから、当時のウィーン分離派が及ぼした影響は、どれほどの勢いだったか、人々はどう感じ反応していたのか…私の想像力では追いつきそうにありません。できることならタイムスリップして体感したい!妄想全開です。


《ベルトルト・レフラー 十二月(カレンダーのためのデザイン案) 1906年頃》
本展の魅力は作品だけではありません。今回、入口すぐの光景にハッとしました。
そう、会場から外の大階段が望める窓があるのです!


(写真 入口) 《リヒャルト・ルクシュ 女性ヌード 1905年頃(石膏) 武蔵野美術大学 美術館・図書館》
会場構成をしたのは、建築家の大室佑介さん。

大抵は、展示のために覆われている窓を、今回は久しぶりに見せる構成にしたそうです。
また、あえて入口出口を意識させない会場作りになっており、好きなコーナーを好きなだけ楽しめるようになっています。



過去の素晴らしい作品を見るだけではなく、現代建築家の工夫で、魅力が倍増しています。
100年以上前にウィーンで生まれた芸術の波を、ここ日本で楽しめることに感謝しつつ、未来へ引き継がれることを願う、自然とそんな気持ちになりました。

今年は、ウィーンのこの時代の作品を多く見る機会があるでしょう。
この展覧会で、時代や生活の根底を流れるような芸術を知ったことで、鑑賞の幅が広がりそうです。




会場京都国立近代美術館
開催期間2019年1月12日(土)~2月24日(日)
休館日月曜日(ただし1月14日、2月11日(月・休)は開館)、1月15日(火)、2月12日(火)
開館時間9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
所在地京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
075-761-4111
HP : http://www.momak.go.jp/
料金一般 1,000円、大学生 500円、高校生・18歳未満は無料
展覧会詳細へ 「世紀末ウィーンのグラフィック」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
カワタユカリ カワタユカリ
美術館、ギャラリーと飛び回っています。感覚人間なので、直感でふらーと展覧会をみていますが、塵も積もれば山となると思えるようなおもしろい視点で感想をお伝えしていきたいです。どうぞお付き合いお願いいたします。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

インターネットミュージアム アルバイト募集中
取材レポート
東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本
クリムト展
「横手市増田まんが美術館」がリニューアル'
増田まんが美術館
国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
ウィーン・モダン
東京都江戸東京博物館「江戸の街道をゆく」'
江戸の街道をゆく
太田記念美術館「江戸の凸凹
江戸の凸凹
神奈川県立歴史博物館「横浜開港160年 横浜浮世絵」'
「横浜浮世絵」展
ちひろ美術館・東京「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」'
ショーン・タン展
ホキ美術館「スペインの現代写実絵画
スペインの現代写実
パナソニック汐留美術館「ギュスターヴ・モロー
モロー展
日本科学未来館「企画展「マンモス展」 その「生命」は蘇るのか」'
マンモス展
東京都庭園美術館「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」'
キスリング展
根津美術館「はじめての古美術鑑賞
絵画のテーマ
Bunkamura
バレルcol.
東京ステーションギャラリー「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」'
ルート・ブリュック
横浜美術館「Meet
アートと人と美術館
国立科学博物館「特別展
大哺乳類展2
DIC川村記念美術館「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」
[エリアレポート]
ジョゼフ・コーネル
横浜美術館「Meet the Collection ― アートと人と、美術館」
[エリアレポート]
アートと人と美術館
豊田市美術館「世界を開くのは誰だ?」
[エリアレポート]
世界を開くのは
国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
[エリアレポート]
ウィーン・モダン
あべのハルカス美術館「クマのプーさん展」
[エリアレポート]
クマのプーさん展
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
特別展 「恐竜博 2019」 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー メスキータ展
東美濃の縄文土器 江戸の凸凹 ― 高低差を歩く ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 日本画「青・蒼・碧」展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社