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たばこと塩の博物館「江戸の園芸熱」

文 [エリアレポーター]コロコロ / 2019年1月30日


18世紀後半、江戸の町には花があふれていました。鉢植えの普及で庶民も手軽に植物を愛でることができるようになったからです。植物への熱は、朝顔の形を変化させたり、菊細工を作るなど多様な園芸スタイルを生み出しました。

日本人が庶民まで植物を育てていることに驚いたプラントハンターフォーチュン。
菊の種類の多さや菊細工にも驚き、イギリスに菊を紹介しました。
菊にスポットをあてて日本の珍しい仕立方や、菊細工を見る庶民の熱狂ぶりを紹介します。

1本の菊から百種類の菊を咲かせて楽しむ



菊の根元の茎に注目。
1本の茎に数々の菊が花をつけています。
人気の菊は品種改良が進むと、それだけでは飽き足らず、1本の茎に100種類、接ぎ木して咲かせることにチャレンジしました。
日本人の飽くなき探求心を感じさせられます。



一つ一つの花に付けられたラベル。
それを見る民衆の眼差しは好奇心の塊。その熱気がこちらにも伝わってきます。
なぜか右端の人は背を向けています。彼が見ているのは番付表です。日本人のランキング好き気質も見受けられます。

菊の細工物を両国で見世物に



菊の品種改良は、人形に仕立てる菊細工にも発展しました。
巣鴨、染井、駒込で見世物となり、その後、両国でも行われました。
歌舞伎も題材として取り上げられ、市川団十郎と瀬川菊之丞の2人の人形が、仕掛けで動き人々の注目を引いていたようです。



胴の部分をご覧下さい。
画像では白く抜けて輪郭がわかりませんが、この部分には白い菊が植えられており、花の色を生かした衣装になっています。
近寄ると菊を型押した空摺で表現されていることがわかります。
下の市川団十郎の赤い衣装の四角い部分にも空摺が見られるので要チェックです。

鶴の菊細工が源氏絵に




中央の大きな鶴は、菊細工で作られた人形です。
源氏絵の主人公が菊細工の鶴を眺める様子を描いています。
源氏絵は庶民の遊びや流行も描きました。
菊細工がテーマとして取り上げられておりその人気ぶりが伺えます。



鶴の白い部分にも、菊模様の空摺が見られます。
歌舞伎役者の菊と鶴の菊、空摺の表現の違いを比べてみては?

菊でできた象を見た人たちは?



こちらは後期(2/19~3/10)の展示作品。
白象の菊細工を、染井の金五郎が描きました。白象は白い菊で中央に大きく表現されています。
ユニークなのは、菊の葉が飛び出している様子まで描いているところ。象の背中にかけた布にも、細やかに菊の模様が描かれています。
当時としてはめずらしかったと思われる白象を、菊細工で制作した姿を目にした人たちの反応は? 驚いて体は引き気味ですが、気持ちは象に向かっている2人の表情やしぐさ。わくわく感が伝わってきます。

江戸時代の園芸熱は、様々な形で伝導していきました。
園芸への熱狂や草花愛、ディティールへのこだわりは日本人気質の源を見るようです。
熱中して楽しむ、愛でる。それが多方面の技術として花開いていったことを感じさせます。


会場たばこと塩の博物館
開催期間2019年1月31日(木)~2019年3月10日(日)
休館日月曜日(但し、2月11日は開館)、 2月12日(火)
開館時間10:00~18:00(入館は17:30まで)
所在地東京都墨田区横川1-16-3
03-3622-8801
HP : http://www.jti.co.jp/Culture/museum/
料金一般・大学生 100円、小・中・高校生 50円、満65才以上の方 50円
展覧会詳細へ 「江戸の園芸熱 ― 浮世絵に見る庶民の草花愛 ―」 詳細情報
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