インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  国立国際美術館「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」

国立国際美術館「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」

文 [エリアレポーター]カワタユカリ / 2019年2月8日


《スピリット》2013年 肖像がプリントされた布、ソケット、電球 作家蔵
どこに迷い込んでしまったのか…。
この世ではない何処かにいます。不安と好奇心が入り交じります。

国立国際美術館、国立新美術館、長崎県美術館の3館共同企画の大規模な『クリスチャン・ボルタンスキー —Lifetime』展が今年、国内を巡回します。
大きな特徴は、自らを「空間のアーティスト」というボルタンスキー自身がそれぞれの会場に合わせたインスタレーションを手掛けることです。
初期の作品から最新作までを紹介しながらも、展覧会が1つの作品のようになるというのです。


会場風景


会場風景
青い光で形作られた《出発》。何かが始まると予感させてくれます。
響く《心臓音》と、鼓動に合わせて明滅する電球。その先には人の顔が映し出された紐状のカーテンが吊られています。
カーテンに映る像は7歳から65歳までのボルタンスキーです。
そして体に振動する大きな心臓音は、ボルタルスキーのもの。
彼の体内へ入り込んでいくかのようで、少々緊張しながらカーテンを通り抜けました。


会場風景
ボルタンスキーは、歴史や記憶、そして死や不在をテーマに、世界中で作品を発表しています。
そして本展でも、彼の実体験や思考、疑問をもとに「生」「死」を表現しています。
ボルタンスキーは、観るだけではなく、作品に入り込み、それぞれの実体験を通して自分自身に問いかけてほしいと話します。

多くの人たちの顔写真や古着、風鈴の音は、ナチスや世界大戦を彷彿させます。
子どもたちの写真は、最近の小学4年生が虐待で亡くなったニュースを思い起させました。
地震や津波の災害、または身近な人の死を思い出す人もいるでしょう。

過去や現在の記憶、そしてこれから起こり得る未来の現象。
それらすべて総動員させて作品に集中しますが、時代、国境を超えたテーマは、大きく、一度では消化できません。

「展覧会を見たから、答えが見つかるわけではない」とボルタンスキーは、いいます。
「人生は疑問だらけ。真偽に到達する最後の扉をあけるカギを探し続けることが人間らしい営みである」。
何度も展覧会に足を運び、じっくり向き合いたい。そんな気持ちになります。

最後の部屋には赤いサインの作品《到着》が待っていました。
入口の《出発》と対になっており、人生には始まりと終わりがあるというボルタンスキーの哲学を表現しています。
最後に私たちは、来世にたどり着いたということでしょうか。

実は、出口がわからず、少し戸惑っていた時に見えた「ARRIVEE(到着)」のサインは、現世に戻ってきたかのような安堵感を与えてくれました。
「死」ではなく「生」にしか意識が向いていない、そんな自分が無意識にでたような気もします。


クリスチャン・ボルタンスキー氏


会場国立国際美術館
開催期間2019年2月9日(土)~2019年5月6日(月・休)
休館日月曜日(ただし、2月11日(月・祝)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館)、2月12日(火)
開館時間10:00~17:00、金曜・土曜日 ~20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
所在地大阪府大阪市北区中之島4-2-55
06-6447-4680(代)
HP : http://www.nmao.go.jp/
料金一般 900円、大学生 500円 ※その他割引情報は、「展覧会詳細へ」をご覧ください。
展覧会詳細へ 「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
カワタユカリ カワタユカリ
美術館、ギャラリーと飛び回っています。感覚人間なので、直感でふらーと展覧会をみていますが、塵も積もれば山となると思えるようなおもしろい視点で感想をお伝えしていきたいです。どうぞお付き合いお願いいたします。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
国立科学博物館「特別展 「恐竜博 2019」
恐竜博 2019
国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
ウィーン・モダン
東京国立博物館「特別企画 奈良大和四寺のみほとけ」
奈良大和四寺
小田原文学館「「坂口安吾」ができるまで」
「坂口安吾」展
渋谷区立松濤美術館「華めく洋食器 大倉陶園100年の歴史と文化」
大倉陶園100年
千葉市美術館「没後60年 北大路魯山人 古典復興 ― 現代陶芸をひらく ―」
北大路魯山人
サントリー美術館「遊びの流儀 遊楽図の系譜」
遊びの流儀
東京都江戸東京博物館「発掘された日本列島2019」'
発掘された日本列島
国立新美術館「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」
ボルタンスキー展
ちひろ美術館・東京「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」'
ショーン・タン展
日本科学未来館「企画展「マンモス展」 その「生命」は蘇るのか」'
マンモス展
ホキ美術館「スペインの現代写実絵画
スペインの現代写実
静嘉堂文庫美術館「書物にみる海外交流の歴史~本が開いた異国の扉~」
[エリアレポート]
書物にみる海外交流
細見美術館「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦」
[エリアレポート]
タラブックスの挑戦
国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
[エリアレポート]
ウィーン・モダン
三井記念美術館「日本の素朴絵 ― ゆるい、かわいい、たのしい美術 ―」
[エリアレポート]
日本の素朴絵
国立西洋美術館「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」
[エリアレポート]
松方コレクション展
入江泰吉記念奈良市写真美術館「石内都 布の来歴 ― ひろしまから」
[エリアレポート]
「石内都」展
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
特別展 「恐竜博 2019」 特別展「三国志」 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展
唐三彩 ― シルクロードの至宝 ― 福島復興祈念展「興福寺と会津」 メスキータ展 マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社